英財務相、財政再建は「時間を要する」 コロナ追加救済策を約束

英財務相、財政再建は「時間を要する」 コロナ追加救済策を約束
 スナク英財務相は2月28日、財政再建は「時間を要する」と述べて急がない姿勢を示した。2020年10月、ロンドンで撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 28日 ロイター] - スナク英財務相は28日、財政再建は「時間を要する」と述べて急がない姿勢を示した。3月3日に予定される2021年度予算案の演説では、新型コロナウイルス対策で財政赤字がさらに拡大する見通しが示されるとみられる。
スナク氏は英スカイニュースに対し、ロックダウン(都市封鎖)を段階的に緩和する間も経済を支え続けると確約。同時に、2兆1000億ポンドの公的債務は何もしなければ増え続けるという事実を国民に伝えると述べた。
「われわれが経験したショックや損害の規模を踏まえると、財政再建には時間を要するだろう」と指摘。「しかし、将来的には強固な財政基盤を持つことが重要だ」とした。
法人税増税に関する報道など税制の変更についてはコメントを控えた。与党・保守党がコロナ前の2019年に公約した所得税、付加価値税(VAT)、国民健康保険料の据え置きを守るかどうかについても明言を避けた。
英紙サンデー・タイムズは、スナク氏が所得税収入を60億ポンド拡大する方針だと報じていた。
英国の新型コロナによる死者数は欧州で最も多く、公式統計によると、主要先進国の間で最も大きな経済的打撃を受けている。
これを受けて、スナク氏は雇用保護や企業支援、医療関連支出の増額などの対策を打ち出し、2020年度の財政赤字は平時で過去最大に膨れた。
スナク氏はBBCに「われわれは早期に大規模な対策を打ち出した。さらなる措置を講じる予定で、人々には安心して欲しい」と強調した。
一方で、最近の国債利回りの上昇にも言及。「金利は非常に低い水準にあったため、債務水準を多少引き上げる余地が生じていた。しかし、この状況はいつ変わってもおかしくないし、実際にここ数週間で変わりつつある」と指摘。「状況が変わる可能性に神経をとぎすます必要がある」とした。

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