新型コロナ英変異株、致死率「格段に高い」=論文

新型コロナ英変異株、致死率「格段に高い」=論文
英国で昨年9月に見つかった新型コロナ変異株が従来型に比べ致死率が30─100%高いことが10日、英医学誌に掲載された論文で明らかになった。米メリーランド州の米国立アレルギー感染症研究所が提供したコロナウイルスの顕微鏡写真(2021年 ロイター/NIH/Handout via REUTERS.)
[ロンドン 10日 ロイター] - 英国で昨年9月に見つかった新型コロナウイルス変異株について、それまでに感染の主流だった他の新型コロナ株と比べて致死率が30─100%高いことが10日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に掲載された論文で明らかになった。
英変異株「B117」は遺伝情報の23カ所に変異があり、すでに100カ国以上で感染が確認されている。感染率は従来株より40─70%高いとされているが、今回の研究結果で致死率も「格段に高い」ことが確認された。
論文によると、英変異株の感染者5万4906人のうち、227人が死亡。これに対し、それまでに主流だった他の新型コロナ株に感染した同数の患者のうち、死亡したのは141人だった。
研究に参加したエクセター大学のロバート・チャレン氏は「感染力の高さに加え、致死率も高いことで、この変異株の脅威を深刻に受け止める必要がある」と述べた。
ウォーリック大学のウイルス学者、ローレンス・ヤング教授は、英変異株の致死率の高さの詳細な要因はまだ明らかになっていないとしながらも、「高水準のウイルス複製と強い感染力が関連している可能性がある」と指摘。欧州でこのところ見られている感染再拡大は英変異種が要因になっている恐れがあるとの見方を示した。

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