FOMCこうみる:利上げ前倒し初動は成功、ドル円は120円方向に=三井住友銀 宇野氏

[東京 16日 ロイター] - <三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>
完全にタカ派の内容で、本来は株が売られ金利は上昇してしかるべきだが、市場は逆の動きとなった。利上げは前倒しされたものの、実際にはまだ着手していない。バランスシートへの言及もあったが、これも利上げ後の話なので、現実味がない。アナウンスメントをすることで市場に耐性をつけることができるので、初動としては成功したということだろう。
今後は利上げ局面に入っていくほか、「インフレは一時的」という文言が刷り込まれ過ぎていた面も次第に解消され、イールドカーブはスティープ化していく。米長期金利は1.8%を超えて推移し、ドル/円は来年3月末までは120円に向かって進んでいくとみている。
今後の進め方は示されなかったが、ある程度のインフレを許容し、バランスシートの縮小についても、ゆっくり、もしくは規模感を残した形でやっていく方向に収れんしていくだろう。株高を続けていくことが米国式の資本主義を続けていく話の大前提であり、米連邦準備理事会(FRB)は株式市場にとって都合の良い形で着地させていく。

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