APEC首脳会議が閉幕、議長国タイ「貿易促進へ大きな進展」

APEC首脳宣言発表、ルールに基づく多国間貿易システム強化へ
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は19日、ルールに基づく多国間貿易システムを維持し一層強化する決意であるとする首脳宣言を発表した。写真は夕食会でスピーチするプラユット首相。11月17日、バンコクで撮影(2022年 Handout via REUTERS)
[バンコク 19日 ロイター] - アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は19日、貿易促進への決意を表明するとともに、さまざまな経済的課題に対処するため、取り組みを強化する方針を示す首脳宣言を採択して閉幕した。
APEC議長国タイのプラユット首相は、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現に向けた複数年にわたる作業計画で合意したとし、「大きな進展」があったとの見解を示した。
首脳らは、ルールに基づく多国間貿易システムを維持し一層強化する決意を表明。同時に、インフレ加速や食料安全保障、気候変動、自然災害などの課題に対処するため、より徹底した取り組みが必要との認識も示した。
首脳宣言は「今年はウクライナでの戦争が世界経済にさらなる悪影響を及ぼしている」と指摘。大方の加盟国が戦争を強く非難したと明記した。
インドネシアで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議の首脳宣言を踏襲し、ロシアの侵略を非難しウクライナからの完全かつ無条件の撤退を求める国連決議に言及した上で、この問題に関してはさまざまな意見があるとの認識も示した。
「状況や制裁について他の見解や異なる評価があった。APECは安全保障問題を解決する場ではないことを認識した上で、安全保障問題が世界経済に重大な影響を与える可能性があることを認める」とした。
ロシアはG20とAPECのメンバーだが、プーチン大統領はこれらの首脳会議に出席しなかった。APEC会議にはベロウソフ第1副首相が代理で参加した。
次回のAPEC首脳会議は米サンフランシスコで開催される。プラユット首相は式典でハリス米副大統領に議長を引き継いだ。
プラユット氏は「継ぎ目なく協力を行う用意がある」と表明した。

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