世界の難民、過去最多の7950万人 19年末時点=国連

世界の難民、過去最多の7950万人 19年末時点=国連
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、戦争や迫害が理由で居住地を追われた世界の難民数が2019年末時点で世界人口の1%に相当する7950万人と過去最多になったと発表した。シリア・アザーズの難民キャンプで3月撮影(2019年 ロイター/KHALIL ASHAWI)
[ジュネーブ 18日 ロイター] - 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、戦争や迫害が理由で居住地を追われた世界の難民数が2019年末時点で世界人口の1%に相当する7950万人と過去最多になったと発表した。
難民数は18年から900万人増え、4100万人だった10年からは2倍近くになった。ただ、新型コロナウイルスの影響で人の移動は減少したという。
地域別ではシリアとベネズエラ、アフガニスタン、南スーダン、ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャが住む地域からの難民が上位を占めた。
総数は難民と自国内で他の地域に逃れた難民、難民申請者を含む。
グランディ難民高等弁務官は「UNHCRが統計を開始して以来最多となる8000万人に迫る数字はもちろん、大きな懸念事項だ」と指摘。難民が西欧諸国に逃れるという一般的な見解とは対照的に、難民の73%が隣国へ難民申請を出すと述べた。
さらに「難民は引き続き世界的な課題だ。全ての国にとって課題だが、世間で難民問題がどのように騒がれていようとも、富裕国ではなく貧困国にとって最も直接的な問題だ」と強調した。
新型コロナの影響については、「現時点では移動が難しいため難民の動きが止まった。国際渡航はほぼ皆無で、国境を超えるのは無理に近い」と述べた。

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