ドイツ連立政権、公共交通格安乗り放題の後継策巡り対立

ドイツ連立政権、公共交通格安乗り放題の後継策巡り対立
 ドイツのショルツ首相が所属する社会民主党(SPD)のラース・クリングバイル党首が、今夏に実験的に実施している公共交通機関格安乗り放題の後継策につなげるため、燃料価格上昇の恩恵を受けているエネルギー企業への課税を提案したものの、連立相手の自由民主党(FDP)から反対されている。写真はベルリンの鉄道駅で撮影(2022年 ロイター/Fabrizio Bensch)
[ベルリン 23日 ロイター] - ドイツのショルツ首相が所属する社会民主党(SPD)のラース・クリングバイル党首が、今夏に実験的に実施している公共交通機関格安乗り放題の後継策につなげるため、燃料価格上昇の恩恵を受けているエネルギー企業への課税を提案したものの、連立相手の自由民主党(FDP)から反対されている。
同国では8月末までの3カ月間、月額9ユーロで公共交通機関が乗り放題となる政策を実施。クリングバイル氏は放送局ZDFとのインタビューで「多くの人が地元の公共交通機関に乗り換え、恩恵を懐に感じることができた」として、後継策の必要性を訴えた。
一方、親ビジネスのFDPを率いるリントナー財務相は、同政策を継続するための資金はないと述べている。後継策については同じく連立の一角を占める緑の党が賛成しており、政権内で最少議席のFDPは厄介者となっている形だ。
リントナー氏は、クリングバイル氏の提案のような課税は税制の公正さに対する信頼を損ねるとも述べている。
クリングバイル氏はFDPへの説得を続ける考えを示した。

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