バリューアクト、セブン&アイ株主にコンビニ事業分離案へ支持要請

バリューアクト、セブン&アイ株主にコンビニ事業分離案へ支持要請
 ヘッジファンドのバリューアクト・キャピタルは1月19日、流通大手セブン&アイ・ホールディングスの株主に対して、コンビニチェーンのセブン-イレブンのスピンオフ(分離・独立)案を支持するよう呼びかけた。2017年12月、都内で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)
[ニューヨーク 19日 ロイター] - ヘッジファンドのバリューアクト・キャピタルは19日、流通大手セブン&アイ・ホールディングスの株主に対して、コンビニチェーンのセブン-イレブンのスピンオフ(分離・独立)案を支持するよう呼びかけた。これによってセブン&アイの企業価値と企業統治が向上すると主張している。バリューアクトが他の株主に宛てた書簡(訂正)の内容をロイターが確認して分かった。
セブン&アイの株式4.4%を保有し、少なくとも1年にわたって同社にさまざまな改革を要求しているバリューアクトは「100%のスピンオフを通じたセブン-イレブンの資本再構築は、現状維持に比べてセブン&アイの株主価値を向こう10年で80%高めると見積もっている」と説明。これはセブン-イレブンの米国事業の経営効率改善などの効果を織り込んでいないので、あくまで保守的な想定だと指摘した上で、課税されないスピンオフを通じて今から12カ月程度でセブン-イレブンを東京証券取引所に上場できる、と付け加えた。
現在セブン&アイは戦略的見直し作業を実行中で、3月初めまでには決定内容を発表すると約束している。このスピンオフ以外の選択肢として検討されているのは、セブン&アイ自体の身売りや、スーパーマーケット事業のスピンオフ、現状維持など。
バリューアクトは書簡で、セブン&アイ側の改革ペースに満足していないと伝えている。
セブン&アイの広報担当者は、株主との対話を継続するとし、それ以上のコメントを控えた。

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