欧州市場サマリー(14日)
[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続落して取引を終えた。新型コ ロナウイルスのオミクロン変異株に関連するリスクが懸念されたほか、害虫駆除大手レン トキルや通信大手BTの下落も相場の重しとなった。 レントキルは12.3%急落。米国の同業ターミニクスを67億ドル で買収することで合意し、ターミニクス株に47%の大幅なプレミアムを乗せたと明らか にした。 BTは4.3%下落。通信業界の起業家パトリック・ドライ氏がBTへの出資 比率を18%に引き上げ、英政府の警戒心を煽ったことが嫌気された。 中型株で構成するFTSE250種指数は0.43%安。オミクロン株の感 染者が増加する中、新型コロナ感染拡大抑制に向けた新たな規制への懸念が投資家心理に 影響を及ぼした。 ただ、FTSE350種鉱業株指数、銀行株指数はそ れぞれ1.56%、1.09%上昇し、相場を下支えした。 イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策決定会合を16日に控える中、11月の 英被雇用者数は過去最高の伸びを示した。統計の内容は前向きだったが、オミクロン変異 株の急速な感染拡大や新たな規制で利上げ観測が後退する中、英中銀が直面するジレンマ をさらに浮き彫りにした。 バス運行会社のナショナル・エクスプレスは1.7%上昇。同業のステージ コーチの全株式を取得して買収すると発表したことが好感された。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 5営業日続落して取引を終えた。テクノロジー関連株の下落が重 しとなった。スイスの医薬品企業ビフォア・ファーマは急伸したものの、ヘルスケア株は 下落した。 STOXX欧州600種テクノロジー株指数は2.37%、ヘルスケア指数< .SXDP>は1.41%それぞれ下落した。 11月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が予想を上回り、米連邦準備理事会(F RB)の連邦公開市場委員会(FOMC)の初日を迎えて米国株価市場は下落して始まっ た。 FRBは15日までのFOMCで、テーパリング(資産購入の縮小)の加速を決める と予想されている。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)は16日 に会合を開き、2022年に向けた金融政策の方針を決定する。 国際通貨基金(IMF)は14日、英国のインフレが高進する可能性が高いとし、 英中銀は利上げを巡る「不作為バイアス」を避けるべきと警告した。 UBSの欧州株式戦略部門の責任者ニック・ネルソン氏は「株式市場は、新型コロ ナウイルスの新変異株オミクロン株と中央銀行の相次ぐ会合が重なって緊張感が生じてお り、決算発表シーズンの合間にいるため神経質な展開が続くだろう」と指摘。「ただ、2 0年や21年第1・四半期のような規制の話は出ていないため、短期的には欧州全体の規 制による成長への影響は小幅にとどまるだろう」との見方を示した。 ドイツのIFO経済研究所は、新型コロナ流行の第4波と供給の持続的なボトルネッ クがドイツ経済の回復をさらに遅らせているとし、22年の成長率予測を引き下げた。[n L4N2SZ36O] 英国でオミクロン株感染によって少なくとも1名が死亡し、急拡大しているオミク ロン株感染による死亡が世界で初めて公式に確認された。しかし、英国は15日に新型コ ロナ対策の渡航禁止リストから11カ国全てを削除する予定だ。 スイスの医薬品企業ビフォア・ファーマは12.6%上昇し、2日続伸した 。オーストラリアのバイオテクノロジー企業シー・エス・エルによる117億 ドルでの買収に合意したことが好感された。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> 国債利回りがおおむね上昇した。投資家は米連邦準備理事会(F RB)が14─15日で開催する連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派にシフトする 可能性に注目している。 今週はFRBや欧州中央銀行(ECB)など主要な中銀が金融政策決定会合を開く。 新型コロナウイルスのオミクロン変異株がもたらすリスクを評価し、約2年間にわたり実 施されたパンデミック(世界的大流行)緊急対策をいつ、どのように縮小するのかを判断 するとみられる。 米労働省が14日に発表した11月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サー ビス)は前月比0.8%上昇、前年同月比9.6%上昇した。供給網の混乱が続く中、前 年同月比では2010年11月以来の大幅な伸びとなり、当面はインフレ高進が継続する との見方が裏付けられた。 これを受け、米債利回りは上昇。ドイツ10年債利回りも追随し、一時 3ベーシスポイント(bp)上昇のマイナス0.35%となった。終盤は1bp上昇のマ イナス0.37%。 INGのアナリストは、債券市場はFRBによるタカ派シフトを示唆していると指摘 。「少なくとも世界的にイールドカーブ(利回り曲線)がフラット化し続けていることを 見れば、このように結論付けられる」と述べた。 独2・10年債の利回り差は一時29.5bpと8月下旬以来の水準に 縮小した。 南欧債の大半はアウトパフォーム。ECBが債券買い入れペースを縮小しても支援を 継続するとの見方から高格付け債よりも利回りの上昇が抑制された。 イタリア10年債利回りは1週間ぶりの低水準となる0.887%を付 けた後、1bp上昇の0.93%となった。 独伊10年債の利回り差は127bpに縮小した。 ギリシャ10年債利回りは4bp低下し1.32%となった。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終盤 アジア市場 コード 終盤 ユーロ/ドル 1.1266 1.1269 ドル/円 113.62 113.70 ユーロ/円 128.01 128.16 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 469.56 -3.97 -0.84 473.53 FTSEユーロファース 1822.87 -14.33 -0.78 1837.20 ト300種 ユーロSTOXX50種 4144.51 -38.53 -0.92 4183.04 FTSE100種 7218.64 -12.80 -0.18 7231.44 クセトラDAX 15453.56 -168.16 -1.08 15621.72 CAC40種 6895.31 -47.60 -0.69 6942.91 <金現物> 午後 コード 値決め 1787.8<金利・債券> 米東部時間13時37分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.56 0.00 100.56 独連邦債2年物 112.16 -0.04 112.20 独連邦債5年物 134.14 -0.09 134.23 独連邦債10年物 174.46 -0.22 174.68 独連邦債30年物 216.82 -0.50 217.32 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.683 +0.023 -0.704 独連邦債5年物 -0.585 +0.021 -0.609 独連邦債10年物 -0.361 +0.020 -0.383 独連邦債30年物 -0.060 +0.020 -0.077
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