オランダ業界団体、半導体の対中輸出規制でEUに要望
[アムステルダム 17日 ロイター] - オランダのテクノロジー業界団体「FME」は17日、欧州連合(EU)欧州委員会に対し、半導体技術の対中輸出を制限する意向があるのか、制限する場合はどのような形で制限するのか、立場を明らかにするよう求めた。
欧州からの「より強力な統一行動」が必要だと訴えている。
FMEは「地政学的な緊張が高まっている時代には、国家と欧州の戦略的な自律性が非常に重要だ」とし「EUによる、より強力な統一行動がオランダの助けになる」と述べた。
バイデン米大統領は17日、オランダのルッテ首相とホワイトハウスで会談し、サプライチェーン(供給網)問題やウクライナ支援などについて協議した。ホワイトハウスのジャンピエール報道官によると、米政権が昨年導入した先端半導体の対中輸出規制も議題に上がった。
バイデン政権は昨年10月、先端半導体の技術や製造装置、関連人材について、中国との取引を事実上禁じた。同盟国にも足並みをそろえるよう要請し、特に製造装置に強みを持つ日本とオランダとの交渉に力を入れている。
オランダには半導体製造装置大手ASMLホールディングがあり、同社の2021年の中国向け販売は全体の15%を占めた。先端半導体の対中輸出規制が導入されれば大きな影響が及ぶ恐れがある。
ルッテ氏は、欧米諸国が最先端半導体技術分野で主導的な地位を維持することが重要で、高度な半導体は軍事目的に使用されるべきではないと指摘した。ただ、輸出規制により基本的技術のサプライチェーンに混乱が生じるべきではないとの考えも示した。
欧州の一部の政治家からは、オランダが半導体政策について単独で米国と交渉すべきか疑問視する声が出ている。
FMEにはASMLなど、国内のテクノロジー企業2200社が加盟している。
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