米国株式市場=続落、インフレやオミクロン株を警戒

米国株式市場=続落、インフレやオミクロン株を警戒
米国株式市場は続落して取引を終えた。11月の卸売物価指数(PPI)上昇率が市場予想を上回り、14─15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産買い入れの加速が発表されるとの見方が強まった。写真は2020年4月撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)
[14日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。11月の卸売物価指数(PPI)上昇率が市場予想を上回り、14─15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産買い入れペースのさらなる縮小が発表されるとの見方が強まった。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大も投資家心理を冷やした。
大型ハイテク関連株が下げを主導し、セールスフォース・ドットコムやマイクロソフト、アドビ、アルファベットがS&P総合500種とナスダック総合を下押しした。
アップルも0.8%下落したが、一時の安値からは下げ幅を縮小して引けた。同社はこの日、新型コロナ感染者急増を踏まえ、米国内の店舗で全ての顧客と従業員に対するマスク着用義務を再導入すると発表した。
米労働省が発表した11月のPPIは前年同月比9.6%上昇し、2010年11月以来の大幅な伸びとなった。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「ナスダックの一部大型銘柄がこれまでの大幅上昇分を削っているのは過小評価できない。けん引役が売り込まれるのは良い兆しではない」と語った。
S&P500の主要11セクターのうち10セクターが下落し、情報技術は1.6%安。一方、FOMCでタカ派的なトーンが打ち出されるとの見方から、金融は0.6%高となった。
バークシャー・ハザウェイとバンク・オブ・アメリカはともに1%超上昇した。
投資家の間では、米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れペース縮小を示唆するとの見方が多く、利上げ前倒し観測が出ている。
ファイザーは0.6%高。開発中の新型コロナ経口治療薬「パクスロビド」について、重症化リスクのある患者の入院や死亡の予防で約90%有効であることを示す最終分析を発表し、オミクロン株に対しても効果がある可能性が示されたと明らかにした。
ビヨンド・ミートは9.3%高。パイパー・サンドラーが投資判断を「アンダーウエート」から「ニュートラル」に引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.70対1の比率で上回った。ナスダックでも2.59対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は108億株。直近20営業日の平均は115億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 35544.18 -106.77 -0.30 35605.73 35779.47 35441.74
前営業日終値 35650.95
ナスダック総合 15237.64 -175.64 -1.14 15215.96 15317.55 15097.35
前営業日終値 15413.28
S&P総合500種 4634.09 -34.88 -0.75 4642.99 4660.47 4606.52
前営業日終値 4668.97
ダウ輸送株20種 16008.00 -202.82 -1.25
ダウ公共株15種 942.26 -5.00 -0.53
フィラデルフィア半導体 3794.41 -20.02 -0.52
VIX指数 21.89 +1.58 +7.78
S&P一般消費財 1565.80 -9.20 -0.58
S&P素材 548.54 -0.62 -0.11
S&P工業 870.72 -8.53 -0.97
S&P主要消費財 780.03 -0.49 -0.06
S&P金融 644.40 +4.00 +0.62
S&P不動産 306.80 -3.96 -1.27
S&Pエネルギー 417.09 -1.58 -0.38
S&Pヘルスケア 1572.25 -7.59 -0.48
S&P通信サービス 262.95 -1.37 -0.52
S&P情報技術 2969.58 -49.56 -1.64
S&P公益事業 351.30 -2.24 -0.63
NYSE出来高 11.03億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 28355 + 15 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 28270 - 70 大阪比

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