インフレ収束に多少時間かかる恐れ、供給網混乱で=カナダ中銀総裁

[オタワ 14日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は世界的なサプライチェーン(供給網)のボトルネックは「想定されたほど速く解消されていない」と述べ、カナダやその他の国際通貨基金(IMF)加盟国のインフレが落ち着くにはやや時間がかかる可能性があるとの認識を示した。
また、供給網の問題はカナダ経済の目先の回復の重荷となり、景気回復ペースは中銀が7月に予想したほど速くならないと想定するのが「妥当」だと述べた。米ワシントンでのIMF会合後、記者団に語った。
マックレム氏はIMF会合での中銀関係者との協議では、供給制約の問題は「引き続き注視する必要があり、解決には多少の時間がかかる」という見解の一致があったとした。
供給網のボトルネックが、当初考えられていたよりも複雑かつ根強い様子であるのが目下の懸念事項だと指摘。ただ、引き続き一過性の問題と見なされているという。
高インフレは一時的とする中銀の見解に批判も出ているが、総裁は「われわれの仕事は、一時的な物価上昇がインフレ進行につながらないよう図ることだ。一時的な物価上昇と見なす十分な根拠がある。インフレ進行にはつながらない」と強調した。
国内の労働市場については、雇用者数は9月に新型コロナウイルス流行前の水準に回復したが労働人口が増えているため、需給にはなお緩みが存在すると説明。また、低賃金の職は雇用者数がまだコロナ流行前の水準を大きく下回っていると述べた。

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