バイデン氏が10州制し躍進、サンダース氏と一騎打ちへ

[ワシントン/ニューヨーク 4日 ロイター] - 米大統領選の民主党候補指名争いは14州の予備選が集中した3日の「スーパーチューズデー」で、バイデン前副大統領がサンダース上院議員を抑えて優勢となり、再び最有力候補に躍り出た。結果を受けてブルームバーグ前ニューヨーク市長は撤退を表明し、穏健派の候補はバイデン氏に一本化された。
バイデン氏は予想外の勝利を収めたテキサス州やマサチューセッツ州など10州を制したとみられる。最大票田のカリフォルニア州で勝利が予想される急進派のサンダース氏との事実上の一騎打ちの構図が固まった。
これまで多額の私財を選挙戦に投じてきたブルームバーグ氏はニューヨーク市のホテルで支持者に対し、勝利できなかったことを謝罪し、「候補指名の道は閉ざされた」と指摘。そのうえで、トランプ大統領に勝つ可能性が最も高いバイデン氏を支持すると表明した。ブルームバーグ氏もバイデン氏と同様、民主党の中道派から支持されている。
バイデン氏はロサンゼルスの集会で「これまで打ち負かされ、排除され、取り残された」人々とともに戦うと述べ、「われわれは勢いにあふれている」と強調した。同氏はわずか1週間前まで、予備選の序盤戦や全国の世論調査でサンダース氏に劣勢となっていた。
米国株式市場はバイデン氏の躍進を好感し、大幅反発して取引を終えた。サンダース氏が掲げる国民皆保険制度が実現する可能性が低下したことから、ヘルスケア株が急伸した。[nL4N2AX4NY]
一方、苦戦が際立ったウォーレン上院議員の陣営筋は、同氏が今後について陣営内で話し合いを行っていると明らかにした。急進派のウォーレン氏が撤退した場合、同氏の支持者の一部はサンダース氏に流れる可能性がある。
この日の獲得分も含め、代議員獲得数はバイデン候補が433人、サンダース候補が388人。今年7月の民主党全国党大会で党候補に指名されるには、1991人の代議員を獲得する必要がある。
バイデン氏は黒人有権者層と穏健派、高齢者の圧倒的支持を得て、アラバマ、アーカンソー、マサチューセッツ、ミネソタ、ノースカロライナ、オクラホマ、テネシー、バージニアの各州で勝利した。エジソン・リサーチはメーン州でも勝利すると予想している。
この日最も予想外の結果となったのはテキサス州。サンダース氏は同州に多額の選挙資金を注ぎ込み、中南米系の有権者の支持を得て勝利するシナリオを描いていたが、バイデン氏に敗れる見通しとなっている。
エジソン・リサーチによると、サンダース氏は、地元のバーモント州のほか、コロラド州、ユタ州で勝利した。FOXニュースとAPは、サンダース氏がカリフォルニア州で勝利したもようと伝えた。
ウォーレン議員はすべての州で不調な結果に終わり、地元のマサチューセッツ州では3位にとどまった。
米大統領選の民主党候補指名争いは今後加速し、3月末までに代議員数の約3分の2が割り当てられている11州で投票が行われる。次回の予備選・党員集会は3月10日で、アイダホ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、ワシントン州で行われる。
*内容を追加しました。

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