日銀、2020年度の成長率見通しを小幅に引き上げへ=関係筋

日銀、金融政策は現状維持の公算 短観が拡大シナリオ裏付け
 日銀は18─19日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める公算が大きい。写真は都内の日銀本店。2016年9月撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)
和田崇彦 木原麗花
[東京 8日 ロイター] - 日銀は、1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2020年度の成長率見通しを小幅に引き上げる公算が大きい。政府が昨年12月に打ち出した経済対策が20年度を中心に景気を押し上げるとの見通しを織り込み、20年度の実質GDPをプラス1.0%近辺に引き上げるとみられる。複数の関係筋が明らかにした。
昨年10月の展望リポートで示された政策委員の見通しの中央値は、20年度の実質GDPがプラス0.7%、21年度がプラス1.0%だった。
中東情勢を巡り、日銀内では今のところ、米国とイランの本格的な軍事衝突に発展する可能性は低く、市場の動揺も大きくないとの見方が目立つ。さらに深刻な事態にならなければ、日銀は今回の展望リポートで、日本経済が緩やかな拡大基調を続けるとの見通しを維持する見通しだ。
しかし、軍事的緊張がいっそう高まれば日本の経済・物価への影響は避けられない。日銀は情勢の推移や原油価格、為替動向を見極めたうえで、20日からの金融政策決定会合で展望リポートをまとめる。
一方、物価見通しはおおむね維持される公算が大きい。

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