新型コロナ、豪政府が米国の武漢研究所発生説に困惑

新型コロナ、豪政府が米国の武漢研究所発生説に困惑
複数の関係筋によると、新型コロナウイルスの発生源を調べる「独立調査」を求めているオーストラリア政府が、米国の対応に困惑している。写真は2019年1月、中国北京で撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)
[シドニー 8日 ロイター] - 複数の関係筋によると、新型コロナウイルスの発生源を調べる「独立調査」を求めているオーストラリア政府が、米国の対応に困惑している。
米政府は新型コロナが中国湖北省武漢市の研究所から発生したと主張。これを受け、中国政府は、オーストラリアが求める独立調査は、中国に責任を押し付ける米国主導の策略の一環だと反発している。
オーストラリアの政府関係者は、先入観を持たない国際的な独立調査を目指していると主張。中国に責任を押し付けようとする米国の姿勢が独立調査の実現を難しくする要因になっているとの認識を示した。
オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は8日、ABCラジオとのインタビューで、独立調査を提案したことで中国との通商関係が悪化するのではないかとの批判に対し「米国の言いなりになって(調査を求めて)いるのではない」と発言。
「オーストラリア政府の一部の主張と米政府の一部の説明には大きな違いがある。オーストラリアは独自の分析、独自の証拠、独自の勧告に基づいて、この問題を世界保健総会に提起する」と述べた。
中国外務省は、独立調査を求める動きを「政治工作」と非難。オーストラリアに対し「イデオロギー的な偏見を捨てる」よう求めている。

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