円堅調か、香港選挙控え米中対立の激化警戒=今週の外為市場

円堅調か、香港選挙控え米中対立の激化警戒=今週の外為市場
 11月18日、今週の外為市場では、円が堅調地合いとなりそうだ。写真は円紙幣、2011年8月撮影(2019年 ロイター/Yuriko Nakao)
[東京 18日 ロイター] - 今週の外為市場では、円が堅調地合いとなりそうだ。24日に区議会(地方議会)選挙を控えた香港の混迷が続けば、事態収拾を求める米国と現体制を支持する中国との対立がさらに先鋭化し、通商交渉にも悪影響を及ぼすとの懸念が強まっている。
予想レンジはドルが107.50━109.50円、ユーロが1.0900―1.1100ドル。
15日の海外市場でドルが108.39円とここ2週間の取引レンジを割り込んだ場面で話題となったのは、米超党派の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」がまとめた年次報告書だった。
その内容は、中国が香港の抗議デモ抑圧に軍を投入すれば、香港に対する経済優遇措置を停止する法律を制定するよう求めるもの。米国ではすでに下院が10月、香港の自治状況を米政府が毎年検証することを求める「香港人権・民主主義法案」を可決している。
報道によると香港の反政府側は当局が混乱を口実に苦戦見込みの選挙の延期を狙っていると主張するなど、事態が収拾する見込みは乏しい。警官がデモ隊に実弾を発砲した11日以降、香港株は連日の大幅安で、金融市場にも混乱の影響が着実に現れてきた。「香港問題が、その背後にいる米中の対立に拍車をかける可能性」(外銀)を懸念する声が出ている。
米国が対中関税を発動する12月15日に向けて、交渉過程に市場が一喜一憂する展開に変わりはなさそうだ。英紙フィナンシャル・タイムズは14日、「第1段階」の通商合意取りまとめが難航していると伝えた。
テクニカル面でドルは、8月以降の上昇が一服となりやすい。2月、4月に続いて今回も、200日移動平均線の上抜けに失敗した形で、108円前半へ続落するおそれがあるという。ユーロ/円や豪ドル/円もほぼ同様だ。
22日にかけて、ドル108円半ばをストライクとするオプションが相次ぎ、まとまって権利行使期日を迎える。関連売買で値が振れづらくなる場面もありそうだ。[nL4N27V0MM]

為替マーケットチーム

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab