アジア株式市場サマリー(14日)

[14日 ロイター] - 中国株式市場は上昇。生活必需品関連株がけん引した。中国国家統計局が14日に発表した7月の小売売上高が予想外に減少したことを受け、政府が内需の喚起に向けて一段の景気対策を打つとの観測が高まった。
7月の小売売上高は前年比1.1%減少し、市場予想(0.1%増加)に反してマイナスとなった。
地元投資信託のチーフエコノミストは「依然として個人消費がぜい弱であることは、新型コロナウイルスによる経済的ショックが根強く残っていることを示している」と指摘した。
一方、湖南省に本拠を置く投資信託会社の幹部は「中国に対しては強気だ。消費関連や健康関連など、内需株に『中核投資』として焦点を当てていく」と述べた。
投資家は、米中が15日に開催する、貿易協議の「第1段階」合意の履行状況を点検するための協議にも注目している。
香港株式市場はほぼ変わらず。ただ追加景気対策期待から消費関連株が買われ、週間では2%を超える上昇となった。
一般消費財株<.HSCICD>が0.3%上昇し約半年ぶり高値。
中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>は0.7%安。
週間では、ハンセン指数が2.7%高、H株指数が2%高。一般消費財株は5%近く上昇、火鍋料理チェーンを展開する海底撈国際<6862.HK>は17.6%上昇した。半面、米中関係緊張を受けハイテク株<.HSTECH>は4.7%下落した。
ソウル株式市場は反落。10営業日ぶりの下げとなった。さえない中国の7月の小売売上高などが嫌気された。
また、米国議会では新型コロナウイルス危機に対応した追加経済対策をめぐり依然として対立しており、これも投資家心理を下押しした。
一方、韓国の企画財政相は自国経済について、最近の経済指標での段階的な回復を示す兆候を踏まえると、7─9月期は成長軌道へと戻るとみられると発言した。ただ、輸出不振が依然として大きな懸念材料となっているとも語った。
外国人投資家は4624億ウォン相当(3億9033万ドル)の売り越しだった。
シドニー株式市場は小反発して引けた。週間ベースで見ると、6週間ぶりの大きな上昇幅で引けた。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)総裁が、過去100年で最も深刻な景気後退に直面する自国経済の回復を目指し、より多くの財政刺激策を政府に求めたことが手掛かり材料となった。
産金株とハイテク関連株がけん引する形となり、この日のS&P/ASX200指数<.AXJO>は前日終値比0.6%高の6126.20で終了。週間ベースでは、同指数は2%上昇し、7月上旬以来の上げ幅となった。
RBAのロウ総裁は14日、雇用創出のため政府に対して一段の財政支援策を求めた。
ロウ氏は、RBAが3月中旬に政策金利を過去最低水準にまで切り下げたことを踏まえ、現時点ではさらなる金融政策の調整が景気の下支えに寄与する可能性は低いと話した。もっとも、RBAとしては、近い将来の金融政策についてはオープンとの考えを明らかにした。
IGオーストラリアの市場アナリスト、カイル・ロッダ氏は「ここで重要な結論は、RBAが金融調整に前向きであり、景気回復に向けた手段について積極的であるということだ」と指摘した。
この日の市場の動きをセクター別で見ると、産金株指数<.AXGD>は1.5%高。金塊相場の上昇を受けた。個別銘柄では、ベルビュー・ゴールドは5%高、エボリューション・マイニングは6.5%高となった。
ハイテク株指数<.AXIJ>は4%超の急伸。米アップル株の動きにつれた。
一方、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は決算内容がさえなかったにもかかわらず、1%超の上昇で引けた。
投資家らは、市場の関心は15日の米中貿易協議「第1段階」合意の検証に集まっているほか、BHPグループやウエストパック銀行といった主要構成銘柄の決算内容にも関心を寄せている。

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