2018年の日銀ETF購入額が6兆円突破、暦年で過去最高

2018年の日銀ETF購入額が6兆円突破、暦年で過去最高
 12月11日、2018年の日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れ累計額が6兆円を突破した。写真は日銀本店、昨年9月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 11日 ロイター] - 2018年の日銀によるETF(上場投資信託)の買い入れ累計額が11日、6兆円を突破した。前年の5兆9033億円を上回り、暦年での購入規模は過去最高となる。中央銀行が日本株の最大の買い手となる異例の構図が続いている。
日銀は同日、通常のETFを703億円、設備投資・人材育成支援目的型のETFを12億円買い入れた。これにより、今年のETF購入額は累計で6兆0678億円となった。日銀は保有残高を年間約6兆円増加するペースでETFを買い入れる方針を示している。今回、暦年ベースで節目の6兆円を初めて上回った。
東京証券取引所と大阪取引所のデータをもとにロイターがまとめた投資主体別の売買状況によると、年初から11月第4週までの間、海外投資家は11兆2258億円、個人投資家が2488億円の売り越し。一方、事業法人は2兆3039億円、信託銀行は1兆6274億円の買い越し。日銀のETF購入額はこれらを大きく超える。
年間ETF購入額のめどについては、特定の期間を区切ったものではなく、日銀は今年7月に「市場の状況に応じて買い入れ額は上下に変動しうる」と柔軟化を決定している。大納会の28日まで12営業日を残しているが、年内の日銀の買い入れは打ち止めにはならないとの見方が株式市場では多い。

長田善行

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab