シドニー外為・債券市場=豪ドルは1カ月ぶり高値から下落、NZドル堅調

[シドニー 2日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では豪ドルが1カ月ぶりの高値から下落している。この日発表された9月の豪小売売上高が小幅な伸びにとどまり、第3・四半期の成長率が期待外れに終わる可能性が示された。
一方、ニュージーランド(NZ)ドルは5週間ぶりの高値近辺を維持している。
豪ドルの対米ドル相場は小売統計発表後に0.1%下落して0.7196米ドル。
コモンウェルス銀行のシニアエコノミスト、クリスティナ・クリフトン氏は、ロイターの電話取材で「データは第3・四半期の国内総生産(GDP)への家計セクターの寄与度が比較的小さいことを示している」と指摘。「第4・四半期に(小売売上高が)改善することに期待する」とした上で、「そうならなければ、住宅価格の下落が消費支出を圧迫し始めた可能性がある」と語った。
第3・四半期GDPは12月上旬に発表される。
豪ドルは2日は下落しているものの、週間では1.6%高と9月21日以来の大幅な上昇率となっている。オーバーナイトで買い戻しが入ったほか、米中貿易戦争収束の兆しを背景にしたリスク資産の大幅な上昇に支援された。
NZドルはこうした楽観ムードに押し上げられ、2日は0.6667米ドルまで上昇、5週間ぶりの高値を付けた。週間では2%高と9月半ば以来の大幅な上昇率。
ナショナル・オーストラリア銀行の外国為替シニアストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は「豪ドルとNZドルはショートポジションが過剰な水準に達し、下落トレンドが続いてきたが、事実上このトレンドをブレークした。持続すれば下落を見込んだ投機筋の動きを抑制する見込みだ」と語った。
同氏は強地合いが続けば、両通貨とも一段高となる可能性があるとみている。

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