アマゾン、出店業者が売った商品の責任負う可能性=米控訴裁

アマゾン、出店業者が売った商品の責任負う可能性=米控訴裁
 7月3日、米連邦控訴裁判所は、アマゾン・ドット・コムのウェブサイトでサードパーティー(出店業者)が販売した商品について、アマゾンに責任を問える可能性があると判断した。写真は配達中のアマゾンの箱。2月にニューヨークで撮影(2019年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)
[3日 ロイター] - 米連邦控訴裁判所は3日、アマゾン・ドット・コムのウェブサイトでサードパーティー(出店業者)が販売した商品について、アマゾンに責任を問える可能性があると判断した。
米国の2つの控訴裁を含め、他の多くの裁判所では、アマゾンにサードパーティーの商品の販売責任を問えないとの判断を下している。
今回、フィラデルフィアの第3巡回区控訴裁判所が示した判断は、下級審を覆し、サードパーティーの商品のアマゾンの販売責任を部分的ながら初めて認めるものとなった。
アマゾンはコメント要請に応じていない。
アマゾンはサイト上で、自社で在庫を抱える商品を販売する他に、サードパーティーに商品の出品を認めている。これらの出店企業は、アマゾンの倉庫に在庫を保管していたり、顧客に直接商品を配送することもある。
調査会社スタティスタによると、アマゾンのサイトで販売されている商品の約半分はサードパーティーの商品だという。
米国では、欠陥商品に対する責任は基本的に州法が定めており、今回の判決は原告の顧客が住むペンシルバニア州の法律に基づいている。
この顧客は、アマゾンのサイトでサードパーティーから購入した犬用の巻き取り式リードが壊れた反動で顔に当たり、片目を失明したとして、2016年にアマゾンをペンシルバニア州の裁判所に提訴した。
このリードを販売した業者はネバダ州から直接顧客に商品を出荷していた。裁判記録によると、この業者は2016年以降、アマゾンのサイトで稼働しておらず、原告もアマゾンも代表者を特定できなかった。
ペンシルバニアの控訴裁は、アマゾンのビジネスモデルでは、「サードパーティーは顧客から身を隠すことができ、欠陥商品でけがをした場合に顧客が直接連絡を取れない」として、アマゾンにも部分的に責任を問える可能性があると判断。下級裁判所に本件を差し戻した。
下級裁判所は、巻き取り式リードに実際に欠陥があったかどうかを判断することになる。

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