欧州市場サマリー(18日)
[18日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続伸して取引を終えた。欧州中 央銀行(ECB)のドラギ総裁が、必要であれば金融緩和を再度行うとしたことが相場を 押し上げた。 ドラギ総裁は、物価上昇率が目標に戻らなければ、ECBが利下げや資産買い入れな どの金融緩和を再度行うと明言した。 建機・産業機器レンタルのアシュテッドは6.1%上昇。2019年度の売 り上げが市場予想を上回ったことが好感された。 製薬のアストラゼネカは2.6%高で、FTSE100種の最大の押し上げ 要因となった。欧州委員会が、アストラゼネカの抗がん剤「リムパーザ」を進行卵巣がん の維持療法薬として認めたことが好感された。 トランプ米大統領が今月下旬の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ て米中首脳会談を行うと述べたことで、石油や鉱業株も買われた。 FTSE350種鉱業株指数は2.50%高。ストライキが起きたチリ の主要な鉱山で生産量が半減したことで銅価格が上昇し、鉱業株の買い材料となった。 ロンドン株式市場: <欧州株式市場> 上昇して取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の ハト派的な発言が相場を押し上げた。米中が通商協議を再開するとの報道も買い材料だっ た。 ドラギ総裁は、物価上昇率が目標に戻らなければ利下げや資産購入を実施する可能性 を示唆した。これを受けユーロが下落したほか、欧州の国債利回りが低下。世界的に株価 が上昇した。 STOXX欧州600種指数は6週間ぶりの高値。1月中旬以来、5カ月ぶ りの大幅な上昇となった。 米中が20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて会談することで合意し 、それに向けて通商交渉が再開するとの報道を受け、通商政策に左右されやすい自動車・ 部品株指数や資源株指数の値上がりが目立った。債券の代わりとなり得る 低リスク・高利回りの「ボンドプロキシー」とみなされる公益事業株も上昇した 。 ベレンバーグの欧州エコノミスト、フロリアン・ヘンス氏は「ドラギ総裁の話を聞く 限り、成長率やコア物価が少しでも下振れすれば、もしくは企業の物価見通しが大幅に低 下した場合、ECBは行動に移るだろう」と述べた。 こうした中、ドイツの半導体メーカー、シルトロニックは、ここ2カ月で 2度目の利益見通しの引き下げが影響し、7.7%下落。先週末には米半導体大手ブロー ドコムが貿易摩擦の影響で2019年の売り上げが20億ドル削減されると発表 し、衝撃が走った。 キャピタル・エコノミクスの市場エコノミスト、シモーナ・ギャンバリーニ氏は「半 導体産業が軟調な見通しを示していることは、貿易摩擦が主要なリスクであるさらなる証 拠だ」と指摘。 同業のSTマイクロエレクトロニクスやASMインターナショナル、ASMLはシルトロニックの見通しを受けて一時マイナス圏で取引されたも のの、G20の米中協議への期待からプラス圏に転じて取引を終えた。 欧州株式市場: <ユーロ圏債券> ドイツ国債利回りが過去最低に低下し、フランス10年債利回り が初めてマイナス圏に入った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の金融緩和を巡る発 言が背景。 ドラギ総裁は18日、物価の伸びが低迷し、目標を達成できない状況が続いた場合、 ECBは利下げや資産買い入れなどの金融緩和を再度行うと明言し、物価押し上げへの決 意を表明。これを受け、国債買いが強まった。 アムンディのグローバルマクロ経済調査責任者、ディディエ・ボロウスキ氏は「年末 までのマクロ状況悪化回避のために何でもやるというのが鍵となるメッセージだったこと から、そこにはそう遠くない」と指摘した。 独10年債利回りは8ベーシスポイント(bp)低下し、過去最低のマ イナス0.329%を付けた。 トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と電話会談を行い、米中首脳会談を今月末 に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて実施する と明らかにしたが、国債買いの勢いを止めることはできなかった。 オランダ10年債利回りはマイナス0.168%、フランスとオースト リアの10年債利回りは初めてマイナス圏に低下。米10年債< US10YT=RR>も2017年9月以来の低水準を付けた。 ウニクレディトの金利ストラテジスト、ルカ・カッツラーニ氏は、ドラギ総裁の発言 はかなり大胆だったとし、「こうした策が利用できるとドラギ氏からおそらく初めて直接 耳にした」と話した。 金融市場では、今年12月のECB利下げが完全に織り込まれている。2週間前は年 末までに10bpの利下げが実施される確率は60%だった。 一方、インフレ期待は緩和期待を受け反発。ユーロ圏のインフレ期待を示す指標であ る5年先スタート5年物フォワードレートは1.23%付近と、前日の1 .144%から急上昇した。 イタリア国債利回りは12─20bp低下。10年債利回りは20bp 低下の2.09%。1日の低下幅としては約1年ぶりの大きさ。ドイツ10年債との利回 り格差は約237bpと、3月以来の大きさに縮小した。 ユーロ圏金融・債券市場: <為替> 欧州終 アジア市場 コード 盤 終盤 ユーロ/ドル 1.1194 1.1236 ドル/円 108.39 108.24 ユーロ/円 121.34 121.66 <株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード STOXX欧州600種 384.78 +6.32 +1.67 378.46 FTSEユーロファース 1515.00 +25.18 +1.69 1489.82 ト300種 DJユーロSTOXX5 3452.89 +69.68 +2.06 3383.21 0種 FTSE100種 7443.04 +85.73 +1.17 7357.31 クセトラDAX 12331.7 +245.93 +2.03 12085.82 5 CAC40種 5509.73 +118.78 +2.20 5390.95 <金現物> 午後 コード 値決め 1341.35 <金利・債券> 米東部時間13時58分 *先物 清算値 前日比 前営業日 コード 終盤 3カ月物ユーロ 100.37 +0.04 100.33 独連邦債2年物 112.30 +0.14 112.16 独連邦債5年物 134.63 +0.54 134.09 独連邦債10年物 172.86 +1.30 171.56 独連邦債30年物 203.08 +3.46 199.62 *現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード 終盤 独連邦債2年物 -0.738 -0.069 -0.692 独連邦債5年物 -0.684 -0.084 -0.600 独連邦債10年物 -0.320 -0.076 -0.244 独連邦債30年物 0.273 -0.073 0.348
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