上海外為市場=人民元は下落、トランプ発言で貿易摩擦懸念高まる

[上海 10日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで下落。トランプ米大統領の発言を受け、対中貿易摩擦の懸念が高まった。
トランプ米大統領は7日、新たに2670億ドル相当の中国製品に対する追加関税の用意があることを明らかにした。
ANZの中国担当上級エコノミスト、ベティ・ウォン氏は10日、「中国当局が通貨安競争による報復措置を採ることはないと予想する」と指摘。「中国政府が金融の不安定さを警戒しているため、当局は近い将来にわたって、何としてでも人民元レートを引き続き安定させるだろうし、日々の基準値の偏りを通じて(その姿勢を)示すと見ている」と述べた。
中国人民銀行(中央銀行)はこの日の基準値(中間値)を1ドル=6.8389元と、前週末の基準値(6.8212元)に比べ、177ポイント(0.26%)元安方向に設定した。
基準値は8月27日以来の元安水準だったが、ロイター予想の1ドル=6.8477元よりは88ポイント元高方向だった。
市場筋は、予想より元高方向だった基準値は、人民元を安定的に維持するという当局の決意を明確に示しているとした。
スポット市場の人民元は1ドル=6.8494ドルで始まり、中盤の取引は6.8598ドルで推移。前日終値比では106ポイントの元安、基準値比では0.31%の元安となっている。
オフショア人民元も中盤で6.8726元と元安含みで推移。
通貨バスケットに対するオフショア人民元相場の日々の動きを示すトムソン・ロイター/HKEXグローバルCNH指数は93.52。前日終値は93.5。
ドル指数は95.476と前日終値の95.365から上昇。
人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は6.9557元と、基準値比1.68%の元安。

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