JT、今期営業益を200億円下方修正 増税時には加熱式も値上げ

JT、18年12月期の営業益を200億円下方修正 市場予測を下回る 
 8月1日、JTは、2018年12月期(国際会計基準)の連結営業利益を5610億円から前年比3.6%減の5410億円に下方修正すると発表した。写真は都内で2016年5月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 1日 ロイター] - JT<2914.T>は1日、2018年12月期(国際会計基準)の連結営業利益を5610億円から前年比3.6%減の5410億円に下方修正すると発表した。為替レートの円高への見直しや買収に伴う無形資産の償却費を追加計上したため。為替一定調整後の営業利益は修正していない。
トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト18人の営業利益予測の平均値は5634億円となっている。
売上収益は2兆2200億円から2兆2400億円(同4.7%増)へと上方修正した。ロシアのドンスコイ社買収効果や、国内たばこ事業での紙巻きたばこ販売数量減の見込みを16%台後半から14%台前半に見直したことが主因。
1―6月期の連結売上収益は前年同期比2.9%増の1兆0752億円、営業利益は同3.5%減の3023億円となった。
<プルーム・テック、加熱式たばこ市場でシェア10%>
急速に進んだ紙巻きたばこから加熱式たばこへのシフトは足元で鈍化している。JTも2018年のたばこ総市場に占めるリスク低減製品(RRP)の割合を、従来の23%から22%に引き下げた。ただ、各社が改良した商品の発売を計画していることなどから、拡大方向は変わらないと見ており、2020年に30%を占めるとの見方は変えていない。
低温加熱式の「プルーム・テック+」や高温加熱式の「プルームS」の発売時期については「年末・年始のタイミング以外アップデートない」(見浪直博副社長)と述べた。
1―6月期の加熱式たばこを含むRRP市場での「プルーム・テック」のシェアは10%程度だったという。紙巻たばこ換算で8億本、RRP関連売上収益は212億円。年間では40億本の販売計画を掲げていたが、変更していない。
10月のたばこ増税への対応について、見浪副社長は「基本的な考え方として、たばこ税増税部分は価格転嫁する。数量減少もメーカーのマージン改善という意味で値上げの中に含んでいきたい」と述べ、紙巻たばこ、加熱式たばこともに、10月の増税時に値上げする方針を示した。ただ、財務省への申請時期については「もう少しの期間、より慎重にしっかりと他社や市場の動向をにらみ、適切な時期に申請アナウンスしたい」と述べるにとどめた。
フィリップ・モリス・インターナショナルは、「マールボロ・ボックス」など紙巻たばこは1箱50円、「アイコス」の専用たばこ(ヒートスティック)は1箱40円の値上げを申請している。
*内容を追加します。

清水律子

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