欧州市場サマリー(11日)

[11日 ロイター] - <為替> 7月の米消費者物価指数が予想ほど上昇しなかったことを受け、ドルが通貨バスケットに対し下落した。ロシアのラブロフ外相が米朝間の緊張緩和に向けた中国との共同計画の存在を明かし、16週ぶり安値をつけていたドル/円は下げ幅を縮小した。
<ロンドン株式市場> 3日続落。北朝鮮の核・ミサイル開発問題を巡る緊張が高まる中で3カ月ぶりの安値に落ち込んだ。金融や鉱業、エネルギー銘柄の値下がりが目立った。
米朝間の緊迫を受け株式のほか、金属も値を下げた。金属の値下がりが重しとなりFT350種鉱業株指数は2.73%低下。個別銘柄では鉱業大手のグレンコアとBHPビリトン、アングロ・アメリカン、リオ・ティントが2.9%から3.1%下落した。
<欧州株式市場> 3日続落。米朝間の緊張が高まる中、金属価格が下落し鉱業株の売り材料となった。
STOXX欧州600種指数は週間ベースで約2.8%低下し、2016年11月上旬以来の大幅な落ち込みとなった。
投資家の不安心理の度合いを示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数はこの日、約4カ月ぶりの高水準をつけた。それでも尚、歴史的に低い水準にある。
金属の値下がりに伴い資源株指数は2.59%低下し、1カ月ぶりの安値をつけた。
原油価格も下がり、石油・ガス株指数が1.99%低下した。個別銘柄では英石油・ガス生産のタロー・オイルが最も大幅に値を下げた。
銀行株指数は1.55%低下した。週間ベースで9カ月ぶりの大幅安となった。
<ユーロ圏債券> 北朝鮮情勢を巡る緊張の高まりの影響が欧州にも拡大しリスク選好度が低下するなか、南欧諸国の国債が嫌気され、独連邦債との利回り格差は約3週間ぶりの水準に拡大した。
イタリア10年債利回りは2.05%と、約1週間ぶりの水準に上昇した。独10年債との利回り格差は約166ベーシスポイント(bp)と、約3週間ぶりの水準に拡大。独10年債との利回り格差はスペイン10年債、ポルトガル10年債も約3週間ぶりの水準に拡大した。
安全資産と見なされる独連邦債には引き続き強い引き合いがみられ、独連邦債利回りは短期債から長期債にわたり2─3bp低下した。
独10年債利回りは4bp低下の0.38%近辺。0.40%を下回るのは6月29日以来初めてとなる。独2年債利回りはマイナス0.71%と、6月半ば以来の低水準を付けた。

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