小泉氏ら自民若手が国会改革案、法案審議とスキャンダル追及を分離

[東京 27日 ロイター] - 自民党の小泉進次郎・筆頭副幹事長ら若手議員が27日に国会改革案をまとめ、同党の二階俊博幹事長に提出した。法案審議とは別にスキャンダル追及のための特別委員会を新設するのが柱となっている。今後は野党側の意見も募り実現を目指すとしている。
与党内の理解を得られるのか、当面はその点がポイントになりそうだ。
この国会改革案では、国会審議を1)党首討論、2)政策・法案審議の委員会、3)スキャンダル追及の特別委員会──の3つに分割するのが柱。
記者会見した小泉氏は「従来1車線だった国会を3車線にする」と説明した。
提案書を作成したのは、中期的な日本の財政課題を議論している「2020年以降の経済社会構想会議」のメンバー。小泉氏や橘慶一郎氏など自民党の30━40代の国会議員1─4回生が中心となっている。
小泉氏は、北朝鮮や米トランプ政権をめぐる動きなど「世界の状況に今の国会のままでは、対応できないという強烈な危機感がある」と指摘。大阪北部を震源とする震災の発生直後に多くの閣僚が所轄官庁での陣頭指揮を取る代わりに「国会に座っており、しかもそれが問題視されない」ことが、国会改革の必要性を感じる「決定打だった」と述べた。
提案の中には、党首討論をより多くの社会人が視聴できる夜に開催することや、諸外国と比べ多過ぎる首相・閣僚の国会出席回数の抑制、合理的な国会運営を可能にする質問通告ルールの順守、関連書類のペーパーレス化などが盛り込まれている。
この1年間は、森友・加計問題で国会の審議がたびたびストップしたことを踏まえ、スキャンダルの追及は新設する特別委員会で行うとしている。必要ならば第三者の知見を踏まえ、報告書をまとめるような形で進めることも想定している。
小泉氏によると、提案を受け取った二階幹事長は「速やかに対応しましょう」と答えたという。

竹本能文 編集:田巻一彦

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab