三菱UFJ、MUFGコインで買い物の実証実験を開始

三菱UFJ、MUFGコインで買い物の実証実験を開始
 4月18日、三菱UFJフィナンシャル・グループが、独自に開発を進めるデジタル通貨「MUFGコイン」を使って、実際の店舗で買い物ができる実証実験を始めた。写真はMUFGのロゴ。2016年5がうtに東京で撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)
[東京 18日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が、独自に開発を進めるデジタル通貨「MUFGコイン」を使って、実際の店舗で買い物ができる実証実験を始めた。関係者がロイターに明らかにした。
東京・丸の内の同社本部ビル内にあるコンビニエンスストアで今週から実験を開始。夕方の一部時間帯でMUFGコインでの支払いに対応するレジを設けた。利用者のスマートフォンに表示されたQRコードを店員がタブレットで読み取ることによりコインでの支払いを完了する。
同社では昨年から約1500人の社員がMUFGコインの実証実験に参加。飲み代の割り勘など同僚の間でのおカネのやり取りに使われている。商品の購買にコインを使うのは今回の実験が初めてとなる。同じビル内にあるカフェでも同様の取り組みを始めている。
同社は今回の実証実験を通じ、実際の店舗での支払いにおいて利用者と事業者双方にとってどのような課題があるのかなどを検証する。今後は社員以外にも実証実験の参加者を広げて、実用化に向けて問題などの洗い出しをする予定だ。
三菱UFJの広報担当者は実証実験を行っていることは事実だが、詳細は差し控えると述べた。
MUFGコインはブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨。三菱UFJは実用化の時期は明らかにしていない。一般的な仮想通貨との大きな違いは、1MUFGコインが1円と価値が固定されていることだ。そのため、値上がり益を狙った投資目的で購入されることはないと見られている。
国をあげてキャッシュレス決済を推進するなか、クレジットカードなどの既存の支払い手段とは異なる利便性を提供できるかが、MUFGコインの普及のカギとなる。

浦中 大我

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