中国首相「貿易戦争回避を」、経済を一段と開放 成長目標達成に自信

中国首相「貿易戦争回避を」、経済を一段と開放 成長目標達成に自信
 3月20日、中国の李克強首相(写真)は記者会見で、経済をさらに開放し、海外企業の門戸をより拡大する方針を示した。写真は北京で撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)
[北京 20日 ロイター] - 中国の李克強首相は20日、経済をさらに開放し、海外企業の門戸をより拡大する方針を示した。また、国内外の企業が同じ条件で競争できるようにすると述べた。
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)閉幕に伴う記者会見で述べた。首相は「中国経済は世界経済と深く融合しているため、中国の扉を閉ざすことは我が国の発展への道をふさぐことを意味する」と指摘。
その上で「中国が目指すところは、中国企業と外国企業が所有構造を問わず、中国市場で公平な条件で競争できることだ」と強調した。
李首相は米中間の貿易戦争から勝者は出ないとし、両国が「平穏な」状態を維持できることを望むと指摘。「米中が感情ではなく理性で行動し、貿易戦争を回避することを望む」と述べた。
米中間の安定的な関係は世界にとって好ましいと言及。中国は相対的に巨額な対米黒字を望んでおらず、米国は中国に対するハイテク製品の輸出制限を緩和して欲しいとの見方を示した。
サービス業や製造業へのアクセスを広げるほか、がん関連の治療薬などの輸入関税を引き下げる方針も示したが、詳細には触れなかった。
また、海外企業に対し技術移転を強制しないとし、知的財産権の保護を強化すると指摘。中国市場への参入も拡大すると述べた。
中国はこれまでも、技術移転は中国参入の条件ではないとしてきた。ただ米政府は、中国政府が米企業に対して、中国で事業をする見返りに知的財産権を中国に移転するよう強要していると主張している。
李首相は「中国は知的財産権を厳格に保護する。米中貿易の均衡に向けたこの重要な方法を失わないよう望んでいる。そうしなければ利益創出の機会を逃すことになる」と語った。
2018年の経済目標達成には自信を示した。政府の今年の成長目標は6.5%。
国内金融セクターは良好で銀行の引当金は十分とし、規制当局は金融リスクに対応するため「断固たる措置」を講じると述べた。
*内容を追加しました。

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