メキシコ抜きでカナダと貿易協定も、トランプ氏が可能性言及

メキシコ抜きでカナダと貿易協定も、トランプ氏が可能性言及
 10月11日、トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)交渉が物別れに終わった場合、メキシコを除いてカナダと2国間の貿易協定を結ぶ可能性に言及した。写真はホワイトハウスでカナダのトルドー首相と会談するトランプ氏(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が物別れに終わった場合、メキシコを除いてカナダと2国間の貿易協定を結ぶ可能性に言及した。
カナダのトルドー首相も見守る中、ホワイトハウスで記者団の質問に答えた。
NAFTA再交渉でメキシコと合意できなかった場合、カナダと貿易協定を締結するかを問われ、トランプ氏は「もちろん、ぜひとも。どちらか一方と合意に至らない可能性はあるが、その場合はもう一方と合意する」と述べた。
NAFTAは死んだのかとの質問には「どうなるかは今後分かる」と回答。「合意に至らない可能性も合意に至る可能性もある」とし、「われわれが必要な修正を加えられるか確かめる。米政府は自国の労働者を保護しなければならない、(トルドー)首相もカナダとその国民を守りたいと望んでいる」と述べた。
トルドー首相はその後の記者会見でトランプ大統領の発言について問われると、「NAFTAを信じ続ける。われわれはいかなる事態にも準備ができている。カナダの利益を守るために努力を続ける」と語り、再交渉が合意に至る可能性に期待を寄せた。
首相はまた、カナダ政府はトランプ大統領の方針が予測不可能であることを十分に認識しているとも述べた。
一方、米国のロス商務長官は11日、自身や他の政権メンバーはNAFTA離脱の必要がないことを望んでいると表明。NAFTA再交渉の会合で「大統領は時々、必要になればNAFTAから離脱する意向を示してきた。われわれは必要にならないことを望んでいるし、そうなるとは考えていない。ただ、前進していく上で、少なくとも概念的な可能性はある」と述べた。
トルドー首相はトランプ大統領との会談で、カナダが米国にとって最大の輸出先であり、両国間の貿易はおおむね均衡し、NAFTAの下で米製造業の雇用が失われた原因はカナダではないことを強調するとみられていた。
首相は11日、米下院歳入委員会で演説し、「貿易の面で言えば、米国のカナダへの輸出は、中国、日本、英国向けの輸出の合計よりも多い。カナダは米国にとって最大の顧客だ」と語った。
専門家は、自動車の域内部品調達率引き上げを求める米国の提案を巡り、3カ国の交渉は行き詰まる可能性が高いとみる。
ワシントン近郊で11日始まったNAFTA再交渉の第4回会合は当初の予定よりも期間が2日間延長され、17日までとなった。
*内容を追加します。

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