欧州市場サマリー(9日)

[ 9日 ロイター] - <為替> 米朝間の緊張激化懸念が広がり、安全資産とされる円やスイスフランなどが買われた。ドルはスイスフランに対し2週間ぶり安値近辺。対円で110.11円と約2カ月ぶりの安値をつけた。
<ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。米朝の激しい応酬により地政学的な緊張が高まる中、世界的に株式が売り込まれた。
部門別では金融株が最も売られ、FT100種を約18ポイント押し下げた。ヘルスケアや鉱業株も振るわなかった。
第2・四半期収益の伸びが期待外れの内容となった世界最大のセキュリティー会社G4Sは7.5%下落し、2016年3月以来の大幅安となった。
米朝関係に対する懸念が強まり比較的安全な資産とされる金鉱関連銘柄が買われた。金・銀生産のフレスニロと産金大手のランドゴールド・リソーシズは4.9%と2.8%それぞれ上昇した。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。北朝鮮が米軍の要衝グアム周辺への弾道ミサイル発射を警告したことで地政学的緊張感が高まり、主要な株式指数は全てマイナス圏で取引された。
また、フランスのパリ郊外で兵士の集団に車が突っ込んだ事件もあり、意図的な犯行とみられている。フランスのCAC40指数<.FCHI>は1.40%低下。ドイツでも国債利回りが低下し、ドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>は1.12%低下した。
第2・四半期決算が市場予想を下回った化学品卸売り大手でドイツのブレンタグは6.7%下落した。
一方、糖尿病治療薬で世界最大手のデンマークのノボノルディスクは7.9%上昇。第2・四半期利益が市場予想を上回った。ノボノルディスクが下支えとなりSTOXX欧州600種ヘルスケア指数<.SXDP>は0.29%低下にとどまった。
<ユーロ圏債券> 米朝間の緊張の高まりを受けて逃避買いが膨らみ、独連邦債利回りは6週間ぶりの水準に低下した。
金融市場では、米朝間の対立が先鋭化していることで動揺が広がり、安全資産とされる国債や金、円やスイスフランに資金を移す動きが加速した。
独10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)低下の0.42%と、6月29日以来の水準をつけた。英米10年債利回りも6週間ぶりの低水準を記録した。

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