ムーディーズ、ソフトバンクGの格付け見通しを「ネガティブ」に変更

ムーディーズ、ソフトバンクGの格付け見通しを「ネガティブ」に変更
 6月26日、ムーディーズは、ソフトバンクグループ(SBG)の格付けの見通しを「見直し中」から「ネガティブ」に変更したと発表した。写真は都内で2016年6月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 26日 ロイター] - ムーディーズは26日、ソフトバンクグループ(SBG)<9984.T>の格付けの見通しを「見直し中」から「ネガティブ」に変更したと発表した。資本再編計画の実行が成功しないリスクや、資本市場の変動で投資ポートフォリオの価値が下がるリスクなどを考慮したとしている。SBGは、ムーディーズから取得していた格付けの取り下げを3月に発表しているため、「勝手格付け」の位置づけとなる。格付けは「Ba3」で据え置いた。
格付見通しがネガティブなため「格上げの可能性は当面考えにくい」という。ただ、資産売却によって大幅な債務削減を含む資本再編計画に成功し、投資ポートフォリオと資本構成の透明性、継続性を高めれば、長期的には格付見通しが安定的に変更される可能性があるとした。ガバナンスに関する懸念事項が解消された場合も、信用評価上プラスに働くとしている。
ムーディーズは3月25日にSBGの格付けについて、「Ba1」から「Ba3」に2段階格下げし、さらに格下げ方向で見直すと発表。SBGは3月25日、「基準を大きく逸脱したと思われる格付け評価は投資家に誤解を生じさせ、財務改善に取り組む発行体を大きく混乱させる」とし、ムーディーズから取得していた発行体と外貨建て債券の格付けの取り下げを発表していた。

平田紀之

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