NY株620ドル安、J&J治験結果を嫌気 ゲームストップ68%急騰

NY株620ドル安、J&J治験結果を嫌気 ゲームストップ68%急騰
米国株式市場は急反落し、ダウ工業株30種は620ドルで取引を終えた(2021年 ロイター/Carlo Allegri)
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場は急反落し、ダウ工業株30種は620ドルで取引を終えた。主要株価指数は週間で昨年10月以来の大幅な値下がりを記録。医薬品ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の下げが響いたほか、このところ続くヘッジファンドと個人投資家の攻防が値動きを荒くした。
J&Jは3.6%安で、ダウ平均やS&P総合500種指数を下押しした。同社は開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、有効性が66%だったと発表。米ファイザー・独ビオンテック製や米モデルナ製ワクチンが示した95%程度の予防効果と比較して見劣りする結果となった。
こうした中、この日はビデオゲーム販売のゲームストップなどへの個人投資家の買いが復活し、ヘッジファンドなどの売り方が踏み上げられる「ショートスクイーズ」への懸念も再燃した。
ディファイアンスETF(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、シルビア・ジャブロンスキー氏は「全体的として長い冬の巣ごもりや消費の手控えを余儀なくされるような悪材料が出てくれば、市場は後退し様子見をせざるを得ない」と指摘。さらにゲームストップのような動きを目の当たりにし、多少動揺が見られると述べた。
ゲームストップは67.9%高。一時2倍超に値上がりした。オンライン証券のロビンフッドが取引制限を緩和したことで個人投資家の買いが再び活発化した。ステレオ・ヘッドフォン製造のコスは52.52%高。
ゲームストップの急騰を受け、空売りを専門とする米投資情報会社シトロン・リサーチは、今後は空売りに関するリポートを公表しないと表明した。
証券取引委員会(SEC)は、特定銘柄の取引を「不当に阻害する」可能性のある行為を調査し、不正行為を注意深く監視していくと発表。「中核となる市場インフラは今週の異常な出来高でも耐性があると実証されているが、株価の極端なボラティリティーは投資家に急速かつ深刻な損失をもたらし、市場の信頼を損なう可能性がある」とした。
ヘッジファンドなどが空売りで出した数十億ドルの損失を穴埋めするため、保有する優良銘柄の一部売却に動く中、アップルやマイクロソフトが売られ、それぞれ3.7%、2.9%下落した。
リフィニティブのデータによると、29日午前までに2020年第4・四半期決算を発表したS&P500採用企業184社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は84.2%と、過去4四半期の平均(75.5%)を上回っている。
米取引所の合算出来高は171億3000万株。直近20営業日の平均は152億6000万株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.88対1の比率で上回った。ナスダックでは2.38対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29982.62 -620.74 -2.03 30553.9 30553.9 29856.3
1 1 0
前営業日終値 30603.36
ナスダック総合 13070.70 -266.46 -2.00 13284.7 13322.0 12985.0
2 0 5
前営業日終値 13337.16
S&P総合500種 3714.24 -73.14 -1.93 3778.05 3778.05 3694.12
前営業日終値 3787.38
ダウ輸送株20種 12087.99 -316.97 -2.56
ダウ公共株15種 852.40 -0.82 -0.10
フィラデルフィア半導体 2887.08 -48.04 -1.64
VIX指数 33.09 +2.88 +9.53
S&P一般消費財 1307.64 -27.73 -2.08
S&P素材 444.85 -8.86 -1.95
S&P工業 717.01 -15.33 -2.09
S&P主要消費財 659.25 -13.70 -2.04
S&P金融 480.98 -9.92 -2.02
S&P不動産 228.98 -2.36 -1.02
S&Pエネルギー 296.52 -10.40 -3.39
S&Pヘルスケア 1340.92 -11.19 -0.83
S&P通信サービス 218.57 -4.21 -1.89
S&P情報技術 2269.12 -55.78 -2.40
S&P公益事業 316.02 -1.75 -0.55
NYSE出来高 16.24億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 27785 + 215 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 27780 + 210 大阪比

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