21年の鉄鋼需要見通し下方修正、中国の消費減少=業界団体

21年の鉄鋼需要見通し下方修正、中国の消費減少=業界団体
 10月14日、世界鉄鋼協会は、世界の鉄鋼需要見通しについて、今年は4.5%回復して18億6000万トンになるとし、4月に示した5.8%増から下方修正した。写真はスチールコイル。ドイツのデュイスブルクで昨年1月撮影(2021年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[ロンドン 14日 ロイター] - 世界鉄鋼協会は14日、世界の鉄鋼需要見通しについて、今年は4.5%回復して18億6000万トンになるとし、4月に示した5.8%増から下方修正した。最大消費国の中国における不動産問題や二酸化炭素排出削減への取り組みが影響するとした。
2022年の需要も従来の2.7%増から2.2%増に修正した。同協会は生産量で世界の約85%を占める業界団体。
世界全体の約半分を消費する中国では、今年は1%減少する見通し。従来は3%増だった。
バソン事務局長は「ここ数カ月ほどの間に、中国では鉄鋼使用量にかなりの先細りが見られるようになった」と述べた。
一方、先進国では需要回復が見込まれることから、今年は12.2%、来年は4.3%それぞれ増加する見通し。
バソン氏は、記録的なガス価格高騰で一部製鉄所で生産が抑制されるといったエネルギー問題が将来的なリスクだが、需要にまだ大きな影響は出ていないと指摘。ただ、「来年早々、急に原材料が入手できないという理由で、需要抑制が見られる恐れは十分にある」とも述べた。

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