米国務長官、中国の「悪い行い」批判 自由貿易を阻害

米国務長官、中国の「悪い行い」批判 自由貿易を阻害
 8月2日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)のためバンコクを訪問中のポンペオ米国務長官(写真)は、中国の「数十年に及ぶ悪い行い」が自由貿易を阻害し、米国に関税や他の措置を促していると述べ、トランプ米大統領が1日発表した対中追加関税の根拠を明確にした。バンコクで撮影(2019年 ロイター/JONATHAN ERNST)
[バンコク 2日 ロイター] - 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)のためバンコクを訪問中のポンペオ米国務長官は2日、中国の「数十年に及ぶ悪い行い」が自由貿易を阻害し、米国に関税や他の措置を促していると述べ、トランプ米大統領が1日発表した対中追加関税の根拠を明確にした。
ポンペオ長官は、バンコクでの地域ユースリーダーシッププログラムで「われわれが望んでいるのは自由で公平な貿易であり、競争を阻害するような貿易ではない」と語った。ASEAN地域フォーラムでは米国による中国批判が議題となっている。
トランプ米大統領は1日、3000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を課すと発表した。9月1日に発動する。閣僚級の米中通商協議が7月末に再開したものの進展がみられないことが背景にあり、貿易摩擦が再び悪化する恐れがある。
長官は「数十年にわたり、中国は貿易を自国の利益になるように利用してきた。こうした行為を止めさせるべきときだ。トランプ大統領も是正すると言っている。是正には強い意志が必要であり、それが(トランプ大統領の発表により)今朝示された」と述べた。
米中貿易戦争で世界経済が被る打撃について聞かれると、「数十年に及ぶ中国の悪い行いにより、マイナスの影響があった」と応じた。
一方、中国の王毅外相はバンコクで、個別に記者会見し、米国による新たな関税は両国間の貿易摩擦を解決する正しい方法でも建設的な方法でもないと指摘した。
ポンペオ長官は前日、ASEANのパートナーに対し、米中のどちらかの肩を持つよう迫ることはないとしていたが、2日は米国の投資のほうがより好ましいことを強調。「われわれの投資は政府のためや政党のためではない。率直に言うと国家の帝国主義的野望のためでもない」と述べた。
また「実際に誰が、依存ではなく自足を促しているか。あなたの国の消費者のニーズに対応するよう取り組んでいる投資家か、それともあなたの国を債務のわなにかけている投資家なのか、自身に問いかけるべきだ」と呼び掛けた。
長官の発言は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を批判したものとみられる。
長官はまた、北朝鮮との非核化交渉再開に向けて米国は「完全にコミット」していると強調したほか、米国はイランに引き続き制裁を科すと表明した。

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