EU航空機補助金巡る報復関税、対象40億ドル分追加=USTR

EU航空機補助金巡る報復関税、対象40億ドル分追加=USTR
 7月1日、米通商代表部(USTR)は1日、欧州連合(EU)による民間航空機への補助金を巡り報復関税を課す可能性のある40億ドル相当の追加品目リストを公表した。写真は6月18日、ワシントンの米連邦議会で撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)
[ワシントン 1日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は1日、欧州連合(EU)による欧州の航空機大手エアバスへの補助金を巡り報復関税を課す可能性のある40億ドル相当の追加品目リストを公表した。
USTRは4月、関税の対象となり得る210億ドル相当の品目を公表していたが、今回さらに40億ドル分を加えた。オリーブやイタリア産チーズ、スコッチウイスキーなどさまざまな食品や酒類が盛り込まれた。[nL3N21R032]
USTRは、パブリックコメントを踏まえて、当初の品目リストに幅広い金属製品を含む89のサブカテゴリーを加えたとしているが、詳しい説明はしていない。5月15─16日に行われた公聴会では40人以上の個人が当初のリストに含まれた品目について証言を行った。
欧米は世界貿易機関(WTO)を舞台に、エアバスおよび米ボーイングに対する補助金について互いに不当と主張し、約15年前から争っている。航空機やトラクター、食品などを対象に相互に関税措置を準備している。
WTO紛争処理手続きの「最終審」に当たる上級委員会はEUがエアバスに支給する補助金とボーイングへの米国の補助金について、それぞれ不当との最終判断を下している。
米国はこの判断を受けて対抗措置を申請しており、WTO仲裁機関は今夏にも判断を示す見通し。
USTRは追加品目については8月5日に公聴会を実施すると明らかにした。追加品目リストの意見公募期間が終了する前にWTO仲裁機関が判断を示した場合、当初の品目リストに対する報復関税を即座に発動する可能性があるとしている。
ボーイングとエアバスのコメントは現時点で得られていない。
米国の蒸留酒業界団体は、追加品目リストに蒸留酒が含まれたことに「強く反発」するとし、関税対象の拡大は米国内の雇用を脅かすとともに消費者に打撃を及ぼすと警告した。
*内容を追加しました。

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