上海外為市場=元は下落、先週の上昇受け

[上海 5日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで下落。先週末は、米中通商摩擦が緩和するとの期待で、約1カ月ぶりの高値に上昇していた。
中国の習近平国家主席は5日、中国国際輸入博覧会の開幕に当たり、輸入関税の引き下げと市場アクセスの拡大を継続することを約束した。
元は先週0.8%上昇。週間ベースで8月以来の大幅高となった。
この日は1ドル=6.8950元で始まった。中盤のレートは0.38%安の6.9134元。
オフショア人民元は6.9125元。
上海の国内銀行のトレーダーは「先週は、米中首脳の電話会談、G20で首脳会談を開催する計画、中国との通商合意を望むとの米国側の発言が、すべて好材料となった。これを受けて、先週の元は大幅高となった。このため、きょうはその反動で下落している」と述べた。
中国人民銀行(中央銀行)はこの日の基準値(中間値)を1ドル= 6.8976元と、前営業日基準値(6.9371元)に比べて、元高方向に設定した。
中国建設銀行(香港)のアナリスト、Stephen Chiu氏は、先週1─2日の上昇を受けて「1ドル=7元を超える元安のリスクは当面なくなった」との見方を示した。
ただ、人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は1ドル=6.9839元と、スポットレートを約1%下回っている。
RBCキャピタル・マーケッツ(香港)のアジア通貨戦略トップ、Sue Trinh氏は、国際輸入博覧会での習主席の発言について、サプライズはほとんどなかったと分析。「市場は『輸入関税の引き下げ』という見出しを好感したが、これはすでに9月に発表されていたものだ」とし「今後15年で30兆ドルのモノを輸入するという発言は、前回の24兆ドルより多い」と指摘した。

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