上海外為市場=元、約21カ月ぶり安値 米為替報告やFOMC議事要旨受け

[上海 18日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで約21カ月ぶりの安値に下落。ドルが上昇しているほか、米財務省為替報告で中国が為替操作国に認定されなかったことを受けて、弱気派が元売りを膨らませている。
米中の金融政策の違いも元売り材料。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、同委員会が一段の利上げの必要性で概ね一致したことが明らかになった。
スコシアバンクの為替ストラテジスト、Gao Qi氏は、今後も元安が進むと予想。為替報告を受けて「6.95元を抵抗線とする取引が続く公算が大きい」との見方を示した。
中国人民銀行(中央銀行)は、この日の基準値(中間値)を1ドル=6.9275元に設定。これは前日の基準値(6.9103元)との比較で172ポイント(0.25%)の元安。
この日の基準値は2017年1月5日以来の元安水準。市場関係者によると、基準値もスポット市場の元売り材料になった。
国内スポット市場の元は、1ドル=6.9340元で始まり、一時2017年1月4日以来の安値となる6.9422元まで下落した。
中盤のレートは6.9358元。前日終値比で123ポイント、基準値比で0.12%の元安となっている。
オフショア人民元は中盤の取引で6.934元。
市場関係者によると、大手国有銀行が元を買い支えている兆しはないが、心理的な節目となる1ドル=7元に迫れば、何らかの安定化措置がとられるとの見方が根強い。
中国の李克強首相は、中国経済が強まる下押し圧力に直面しており、政府は対象を絞った措置を講じて成長の大きな変動を防ぐ方針であると述べた。
国営ラジオによると、李首相は16日にオランダで講演し「国際環境が複雑化し不安定で、中国経済への下押し圧力は強まったが、われわれはリスクや試練に対処する決意であり、それは可能である」と述べた。

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