中国の5月新規融資は1.18兆元に増加、政策対応頼み 追加緩和必要も

(内容を追加しました)
[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した5月の新規人民元建て融資は、政府が国内の需要低迷や米関税の打撃を受けている中小企業への融資拡大を銀行に要請したことを背景に前月から増加した。
5月の新規人民元建て融資は1兆1800億元(1707億ドル)で4月の1兆0200億元から増加した。ただし、ロイターがまとめたアナリストの予想(1兆2250億元)には届かなかった。
住宅ローンを主体とする個人向け融資は6625億元で、4月の5258億元から増加。企業向け融資も3471億元から5224億元に増えた。
与信や流動性の広範な指標である社会融資総量は5月末時点で211兆0600億元で前年比10.6%増加。4月の10.4%増から伸びが加速した。
社会融資総量には、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれている。
5月の社会融資総量は1兆4000億元で4月の1兆3600億元から増加した。
マネーサプライM2は4月と同じく前年比8.5%増だった。アナリストの予想は8.6%増だった。
5月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.4%増。アナリストの予想は4月と同じ前年比13.5%増だった。
中国人民銀行は融資拡大によって企業活動を活発化させようとしている。5月は中小の民間銀行の資金調達コスト低減に向け、地方銀行の預金準備率を3段階で引き下げる措置を発表した。
招商証券(北京)のアナリスト、羅雲峰氏は「5月の信用統計は政策対応の効果によりやや改善したが、米中貿易摩擦の影響が大きい場合、追加緩和が必要となる可能性もある」と述べた。

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