2017年の海外直接投資、18%減少=OECD

[パリ 27日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)が27日発表した2017年の世界全体の海外直接投資(FDI)は18%減の1兆4100億ドルとなった。米国の減税を巡る観測を背景に同国への投資が大幅に減ったことが背景にある。
第4・四半期は2013年以来の低水準だった。欧州連合(EU)への直接投資は差し引きマイナスで、アイルランドとルクセンブルクで投資の引き揚げが新規投資を大きく上回った。
OECDは声明で「米国が引き続きFDIの最大の供給源で、日本、中国、英国、ドイツ、カナダが続いた」と説明した。
米国向けFDIは2870億ドルへ減少した。2015年と16年は4500億ドルを超えていた。米国から他国向けは21%増の3630億ドルだった。
中国は2016年に初めてネットで対外投資がプラスとなったが、17年は再び同国向け投資が対外投資を上回った。
英国へのFDIは150億ドルと2005年以来の低水準となった。前年はビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブによるSABミラー買収により1960億ドルに膨らんでいた。
米国で昨年12月に成立した減税法により法人税率が35%から21%へ下がったほか、企業の海外留保資金に1回限りで8─15.5%を課税することになった。
これについてOECDは米企業が本国へ資金を還流させるとみられることから、2018年のFDIは減少する公算が大きいと分析した。

※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab