米株は地合い回復、小売統計好調で景気懸念が後退

米株は地合い回復、小売統計好調で景気懸念が後退
米国株式市場は前日の急落から落ち着きを取り戻し、ダウとS&P総合500種はプラス圏で終了した。ニューヨーク証券取引所で13日撮影(2019年 ロイター/EDUARDO MUNOZ)
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場は前日の急落から落ち着きを取り戻し、ダウとS&P総合500種はプラス圏で終了した。朝方発表の7月の米小売統計が好調だったで、景気後退や米中貿易戦争を巡る懸念が払拭された。
S&P総合500種の主要11セクター中、6セクターがプラス圏で取引を終え、主要消費財<.SPLRCS>の上昇率が最も高かった。
堅調な消費動向や米国債利回り低下という強弱入り混じる材料を前に、米国株は大半の取引時間でプラス圏、マイナス圏を行き来した。
米小売大手ウォルマートは6.1%高。第2・四半期(5─7月)決算は、利益と売上高が市場予想を上回り、通期利益見通しも上方修正、消費需要後退懸念が和らいだ。
米商務省が発表した7月の小売売上高は前月比0.7%増と、市場予想の0.3%を上回る伸びとなった。幅広い品目で売り上げが増加した。指標を受け、消費需要懸念が一段と弱まった。
この日も米中間で主張の応酬があった。
中国財政省は、米政府が対中追加関税「第4弾」を発表したことを受け、中国側としても対抗措置を取らざるを得ないと警告した。 トランプ米大統領は、中国とのいかなる通商合意も米国に有利な内容でなくてはならないと言明した。
ナスダック総合は下落して引けた。予定される米関税が重しとなって米ネットワーク機器大手シスコシステムズが8.6%急落した。中国の売上高が25%減少したと明らかにしたほか、第1・四半期(8─10月)の業績見通しは市場予想を下回った。
米金融・債券市場は、30年債利回りが過去最低を記録し、10年債利回りも3年ぶりの水準に低下した。世界的な貿易摩擦や景気減速懸念が根強い。
米百貨店のJCペニーが2.2%上昇した。四半期損失が予想ほど膨らまなかった。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)は11.3%下落した。バーナード・マドフ氏絡みのネズミ講を告発したハリー・マルコポロス氏は調査リポートで、GEが損失の可能性がある381億ドルを隠したと批判し、直近の規制当局提出書類で公表した水準より資金状況ははるかに悪いと主張した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.08対1の比率で上回った。ナスダックは1.37対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は77億2000万株、直近20営業日の平均は75億3000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25579.39 +99.97 +0.39 25514.25 25639.69 25339.60 <.DJI>
前営業日終値 25479.42
ナスダック総合 7766.62 -7.32 -0.09 7790.20 7805.93 7716.55 <.IXIC>
前営業日終値 7773.94
S&P総合500種 2847.60 +7.00 +0.25 2846.20 2856.67 2825.51 <.SPX>
前営業日終値 2840.60
ダウ輸送株20種 9764.49 -77.91 -0.79 <.DJT>
ダウ公共株15種 828.66 +10.45 +1.28 <.DJU>
フィラデルフィア半導体 1439.29 -3.25 -0.23 <.SOX>
VIX指数 21.25 -0.85 -3.85 <.VIX>
S&P一般消費財 905.42 -0.68 -0.08 <.SPLRCD>
S&P素材 348.22 -0.03 -0.01 <.SPLRCM>
S&P工業 612.61 -1.43 -0.23 <.SPLRCI>
S&P主要消費財 611.74 +9.11 +1.51 <.SPLRCS>
S&P金融 432.16 +1.34 +0.31 <.SPSY>
S&P不動産 237.36 +3.13 +1.34 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 414.12 -2.15 -0.52 <.SPNY>
S&Pヘルスケア 1033.52 +3.58 +0.35 <.SPXHC>
S&P通信サービス 162.44 +0.77 +0.48 <.SPLRCL>
S&P情報技術 1345.34 -2.51 -0.19 <.SPLRCT>
S&P公益事業 308.83 +3.84 +1.26 <.SPLRCU>
NYSE出来高 9.34億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20320 - 60 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 20310 - 70 大阪比 <0#NIY:>

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