アングル:トランプ米大統領のイラン核合意判断、4つの選択肢

[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、イラン核合意からの離脱の是非に関する決定を8日に発表すると明らかにした。
イランと欧米など関係6カ国は2015年に、イランが経済制裁の解除と引き換えに核開発の制限を受け入れる核合意を結んだ。しかしトランプ大統領はイランが合意を守っていないと主張。イスラエルもイランが密かに核兵器開発を続けている証拠があると訴えている。一方、国際原子力機関(IAEA)はイランが合意を順守しているとの立場。
トランプ大統領の核合意への対応として4つのシナリオが考えられる。
◎制裁解除を再継続
トランプ氏は1月と同様にイランの中央銀行と石油輸出に対する制裁解除を継続する。一方でトランプ氏が指摘する合意上の不備に対応する付帯決議についてドイツ、フランス、英国との協議を続ける。
◎制裁解除を打ち切り
5月7日、トランプ米大統領は、イラン核合意からの離脱の是非に関する決定を8日に発表すると明らかにした。写真は5日、オハイオ州クリーブランドで撮影(2018年 ロイター/Aaron P. Bernstein)
トランプ氏は制裁解除を打ち切る。この場合、解除打ち切りから180日後に制裁違反に対する罰則が発効し、合意に加わっている欧州諸国が解除継続の是非を判断する。欧州諸国は合意を支持している。
このケースでは、イランは核開発制限への合意を今後も順守するかどうか判断を迫られる。
◎制裁解除をいったん打ち切り、再検討
トランプ氏は制裁解除をいったん打ち切るが、欧州諸国が米国と付帯決議で合意すれば制裁違反に対する罰則が発効する前に解除を再開すると発表する。この場合も核合意に従うかどうかの判断はイランに任される。
◎制裁解除を打ち切り、イランは合意に違反と表明
トランプ氏はイスラエルが示したイランが密かに核兵器開発を続けている証拠に言及し、イランは合意に違反していると主張、制裁解除を打ち切る。その後米国はイラン核合意に盛り込まれた紛争解決手続きを使い、国連の対イラン制裁の「スナップバック(復活)」を求める。

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