豪ワイン業界団体、中国との関係修復をターンブル首相に要請

豪ワイン業界団体、中国との関係修復をターンブル首相に要請
 6月6日、オーストラリアのワイン業界団体は、中国との外交関係修復を求め、同日に政府と緊急会合を開く。写真はワインのボトル。ハンター・バレーで2月撮影(2018年 ロイター/David Gray)
[シドニー 6日 ロイター] - オーストラリアのワイン業界団体は、中国との外交関係修復を求め、6日に政府と緊急会合を開く。二国間関係の悪化を受けた貿易制限を巡り、政府がこう着状態を打開できないとの不満が広がっている。
業界団体「ワイン生産者連盟」は、ターンブル豪首相が関係修復に向けて可能な限り早期に訪中し、ワイン輸入の制限を解除する必要があると指摘した。中国への昨年のワイン輸出は8億4800万豪ドル(6億4700万米ドル)。
世界最大の上場ワインメーカー、豪トレジャリー・ワイン・エステーツを含むオーストラリアのワイン会社6社は、中国向け輸出の一部で通関手続きに遅れが出ていることを明らかにしている。
業界団体のトップはロイターに対し、ワイン会社の代表が農業・水資源省の高官と協議を行うとし、「会合で首相の訪中が提案される」と述べた。「政府が中国に対して懸念を示す一方、中国はわれわれにとって極めて重要な戦略的パートナーであることを認識しなければならない」と指摘した。
投資家らは、こうしたこう着状態が長引くことを懸念している。
トレジャリー・ワインが5月17日に通関手続きの遅れを明らかにして以降、同社の株価は9%下落している。[nL3N1SO3RO]
中豪関係は、豪政府が中国による内政干渉があると批判したことを背景に冷え込んでいる。
オーストラリアのビショップ外相は5日、中国が豪カンタス航空に対し、ウェブサイトで台湾を中国の領土として表記するよう圧力を掛けたと批判した。

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