コラム:ロシアW杯の優勝国、「サッカーノミクス」で予想

[ロンドン 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] - サッカーはシンプルな競技だと、当時イングランドのストライカーだったゲーリー・リネカーは言った。
「22人が90分間ボールを追いかけ、最後はドイツが勝つ」──。4年前のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会で、ドイツがアルゼンチンを下して優勝するという、この予想は的中した。もし具体的な数字に何らかの予測能力があるならば、6月14日に開幕するロシア大会でも再びそれが正しいと証明されるだろう。
Breakingviewsの「サッカーノミクス」分析では、4つの基準を用いて、出場32カ国をランク付けし、どの国の代表チームが優勝するかを予想している。2014年大会では、ドイツの優勝を的中させた。それから4年後、データは異なるものの、優勝予想は変わらない。
選手の金銭的価値が決定要因であれば、フランスが優勝候補となる。英サッカー移籍サイト「Transfermarkt.co.uk」のデータによると、ポール・ポグバやアントワーヌ・グリーズマンらスター選手を含む同国23選手の移籍金は計9億1700万ポンド(約1320億円)に上る。スペインは9億0900万ポンドでこれに次ぐ。
国の人口が何よりも重要なファクターなら、ブラジルが有利だ。これまで5回の優勝を誇る同国の人口は2億0800万人で、この中から選手が選ばれる。ナイジェリア、ロシア、メキシコがこれに続く。
また、国民の応援度でもブラジルが高得点を稼ぎ出す。国際サッカー連盟(FIFA)が集計したデータによれば、2014年大会では81%の国民が最低でも20分間、同大会を見ていた。隣国コロンビアはこれをわずかに上回り、82%で首位となる。
現役選手の層が厚くなければ、観戦するだけのファンも大した意味がない。この基準では、コスタリカの優勝は間違いない。FIFAの直近データによると、中米の小国コスタリカのサッカー協会には、100万人を超える男性選手が登録している。これは、同国の男性人口のほぼ半数に等しい。
ただし総合的な強さから見ると、ドイツが優勝する。
「マンシャフト(集団)」の愛称で知られる同国チームの選手価値は計8億6800万ポンドで、8300万人の人口はブラジル国民と同じくらいサッカー観戦に熱狂的だ。そしてドイツ人男性3人に1人以上が自国のサッカー協会に登録している。
こうした分析に基づくと、7月15日にモスクワで行われる決勝戦では、ドイツとブラジルが対戦することになる。ドイツが連覇するなら、50年以上ぶりの快挙だ。けがや天候、審判のジャッジや運といったすべてが結果に影響し得る。だが計算が合うならば、ドイツはW杯連覇を決めるだろう。
(Peter Thal Larsen、Vincent Flasseur、Karen Kwok)
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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