米国株は下落、貿易摩擦懸念広がる 取引高は2月初旬以来の高水準

米国株は下落、貿易摩擦懸念広がる 取引高は2月初旬以来の高水準
6月15日、米国株式市場は主要株価3指数がそろって下落。写真は2014年6月、ニューヨーク証券取引所前で撮影(2018年 ロイター/Carlo Allegri)
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数がそろって下落。エスカレートの兆しを示す米中貿易摩擦を巡る懸念から序盤に売りが膨らんだが、その後は幾分落ち着きを取り戻した。
この日はオプションや先物の決済日が重なるクアドルプル・ウィッチングだったこともあり、出来高は膨らみ、2月8日以来の高水準となった。
トランプ米大統領はこの日、中国からの総額500億ドルに上る知的財産権およびハイテクに関連する製品に対し25%の輸入関税をかけると明らかにした。これに対し中国も同規模の対抗措置を導入すると発表し、米中の貿易戦争が激化する様相を見せている。
スレートストーン・ウルスの首席投資ストラテジスト、ロバート・パブリク氏は「取引序盤に、多くの市場参加者が過剰反応した可能性がある」とし、「貿易戦争が不可避とは思わない。トランプ大統領は駆け引きに出ているのだと考える」と述べた。
貿易戦争や関税の影響を受けやすい銘柄の売りが膨らみ、ボーイングは1.3%、キャタピラーは2%、ダウ・デュポンは0.9%それぞれ下落。
エネルギー株は2.1%安。来週の石油輸出国機構(OPEC)の会合を控え、原油価格が3%超下落したことが重しとなった。
週足ではダウ工業が0.9%下落。S&P総合500種は0.01%、ナスダック総合は1.3%それぞれ値上がりした。ナスダックは4週連続での上昇となる。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.21対1の比率で上回った。ナスダックは1.02対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は99億株。直近20営業日の平均である69億株を大幅に上回った。

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