欧州市場サマリー(15日)

[15日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。原油の値上がりに伴い石油関連株が買われた。決算も買い材料となった。
北海ブレント先物は一時、2014年11月以来の高値を記録した。米国によるイラン制裁により同国の石油輸出が制限される公算が大きいとの見方からだ。原油高に伴い石油大手のBPとロイヤル・ダッチ・シェルはともに1%を超える値上がりとなった。
上半期決算が好感された格安航空会社イージージェットは3.3%上昇した。住宅建設のテイラー・ウィンペイは3.7%上昇。普通配当を引き上げたほか、2019年に3億5000万ポンドの特別配当を実施すると発表した。
一方、携帯電話大手ボーダフォンは4.3%下落。コラオ最高経営責任者(CEO)が10月に辞任するとの発表が嫌気された。コラオ氏は過去10年間、ボーダフォンの事業再編に尽力してきた。同社はこの日、通期決算も発表した。
<欧州株式市場> 反発して取引を終えた。石油や金融株が買われ、全体水準を押し上げた。
好決算が好感されたオーストリアの銀行ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)とドイツのコメルツ銀行は4.6%と3.9%それぞれ上昇した。フランスの銀行クレディ・アグリコルは1.2%上昇。四半期利益が市場予想を下回り、序盤はマイナス圏で取引されたものの、終盤にかけて持ち直した。
一方、フランスの通信衛星運営会社ユーテルサットは12.8%急落。収益の通期目標を達成できないかもしれないとしたことが嫌気された。
フランスの通信会社イリアドは19.5%急落。経営陣の入れ替えのほか、軟調な第1・四半期決算が売り材料となった。デンマークの宝石メーカー、パンドラは15.5%安だった。中国の業績が鈍化し、第1・四半期利益が市場予想に届かなかった。
<ユーロ圏債券> 中核国債利回りが上昇し、ドイツ国債利回りは3日連続での伸びとなった。米国債の動きに追従したほか、前日の欧州中央銀行(ECB)当局者発言が引き続き材料となった。
「ECBの景気に対する見方はわずかながら明るさが増しているようだ」(ソシエテ・ジェネラル)との声が聞かれる中、ドイツ10年債利回りは0.64%と約3週間ぶりの高水準を付けた。
DZ銀のストラテジストは「ビルロワドガロー氏の発言はQE終了後の利上げを念頭に置いたもの」とした上で、原油高や米国債利回り上昇とも相まって、域内国債利回りの押し上げにつながっていると指摘した。
イタリア10年債利回りも1.94%と2カ月ぶりの水準に上昇したものの、比較的底堅い動きとなった。「政治情勢を見極めたいとの思惑から様子見姿勢が根強い」(野村)という。
イタリアのマッタレッラ大統領は前日、大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」の党首と会談し、連立政権に向けた協議にもう少し時間をかけたいという両党の要望を認めた。

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