米政府、加州の高速鉄道向け資金提供の撤回を正式決定

米政府、加州の高速鉄道向け資金提供の撤回を正式決定
5月16日、米運輸省連邦鉄道局(FRA)は、カリフォルニア州の高速鉄道建設プロジェクトに連邦政府が約9億2900万ドルの資金を提供する計画の撤回を正式に決めた、と発表した。写真は2015年1月、同州フレスノの高速鉄道建設プロジェクト式典会場で、当時の州知事らがサインしたレール(2019年 ロイター/Robert Galbraith)
[ワシントン 16日 ロイター] - 米運輸省連邦鉄道局(FRA)は16日、カリフォルニア州の高速鉄道建設プロジェクトに連邦政府が約9億2900万ドルの資金を提供する計画の撤回を正式に決めた、と発表した。
資金は2010年の合意に基づき割り当てられていた。撤回の理由は、カリフォルニア州が「政府の指示に従わず、計画の十分な進展もみられない」ためだとしている。また、既に支払われた連邦政府の補助金25億ドルについても返還を求めるという。
カリフォルニア州のニューソム知事は、政府の決定は「違法であり、カリフォルニア州や環境に優しいわれわれのインフラ、建設計画に携わる労働者に対する直接的な攻撃だ」と非難した。
同知事は2月、高速鉄道建設プロジェクトについてコストの増加や進捗の遅れ、運営上の懸念を理由に区間を当初の計画から縮小。これを受けて米運輸省は資金の提供を撤回すると表明していた。
米トランプ政権とカリフォルニア州は、移民や自動車の排気ガス基準、インターネット分野の政策などを巡り対立。カリフォルニア州はトランプ政権を何度も提訴しており、今回の撤回についても提訴すると予想されている。

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