米FOMC、貿易摩擦が成長へのリスクとの見方増えず=3月議事要旨

[ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が11日公表した3月20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、メンバーの大半が米中貿易摩擦を米経済の「下振れリスク」とみなす一方、経済成長に対するリスクの高まりを指摘するメンバーの数は昨年12月時点と実質的に変わらなかった。
米政府は3月初め、鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を決定。中国政府はこれに強く反発し、その後の貿易摩擦に発展した。
議事要旨は「参加者の大半が、他国による報復措置の可能性や、通商政策に関連したその他の問題や先行き不透明感が、米経済の下振れリスクとみなした」と記載している。
しかし、議事要旨の別の項目では、FOMCメンバー15人中14人が、成長に対する不確実性を通常と「おおむね同程度」とみなしており、昨年12月時点の人数と変わらなかった。
不確実性が通常よりも高いと判断したのは1人だけで、12月時点の2人から減った。12月のFOMCには16人のメンバーが参加していた。
また、議事要旨のリスクと不確実性に関する項目では、将来の経済成長率が現在の予想を上回るよりも下回る可能性の方が高いとの見方を示したメンバーは1人だけだった。
JPモルガンのエコノミストで元FRBスタッフのマイケル・フェローリ氏は議事要旨を受け、「FRB当局者は貿易やあらゆる要素を総合したものをさほど大きなリスクと捉えていないようだ」と指摘した。

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