接戦続く米中間選挙、トランプ氏広告をメディアが放送停止

米中間選挙、接戦続く トランプ氏広告をメディアが放送停止
 11月5日、米中間選挙を6日に控えて選挙戦が最終盤となる中、NBC、FOXニュース、フェイスブックは、人種差別的と批判が出ていたトランプ大統領の陣営による選挙広告の放送・配信を停止した。オハイオ州クリーブランドで応援演説する同大統領(2018年 ロイター/CARLOS BARRIA)
[ワシントン 5日 ロイター] - 米中間選挙を6日に控えて選挙戦が最終盤となる中、NBC、FOXニュース、フェイスブックは、人種差別的と批判が出ていたトランプ大統領の陣営による選挙広告の放送・配信を停止した。
トランプ大統領に対する信任投票ともみられる今回の中間選挙は、共和、民主の両党ともに米国の将来に決定的な意味を持つと位置づけている。
期日前投票は増加しており、全体の投票率は中間選挙としては50年ぶりの高水準になる可能性がある。
2020年大統領選に向けたトランプ氏の選挙陣営がスポンサーとなっている広告は、警察官殺害で2014年に有罪判決を受けたメキシコからの不法移民の法廷での様子と、中米から米国を目指して北上する移民集団の映像を並べて映している。
広告は先週、オンラインで配信が始まったが、身内の共和党からも人種間の対立を生むとして非難の声が上がっていた。
CNNは既にこの広告を「人種差別的」として放送しない方針を打ち出していたが、5日にはコムキャスト傘下のNBCが「無神経」として広告の放送を停止すると明らかにした。
トランプ大統領の米国優先主義的な政策を支持する報道姿勢をとるFOXニュースも放送停止を発表した。
フェイスブックは有料での広告掲載を停止する方針を示したが、ユーザーが自身のページで広告をシェアすることは認めるとした。
トランプ大統領はオハイオ州での集会に向けて出発する際、各社の決定に関する記者団の質問に対し「そんなことは知らない。われわれは多くの広告を流しており、数字を見ればこれらは明らかに効果的だ」と一蹴した。
大統領はオハイオ州での演説の後にはインディアナ、ミズーリ両州で上院選候補の応援演説を行う。
世論調査や選挙分析の専門家によると、下院選は民主党が過半数確保に必要な23議席を獲得する見通しだ。民主党が下院の過半数を握れば、トランプ大統領が掲げる政策の阻止や政権関係者の捜査などが可能になる。一方、上院は共和党が過半数を維持するとみられている。
ただ、米独立系3機関の予測をロイターが分析したところによると、下院435議席のうち65議席は引き続き接戦となっているほか、上院選の行方も激戦のアリゾナ、ネバダ、ミズーリ、ノースダコタ、インディアナ、フロリダ各州の結果に左右される見通しだ。
民主党はミシガン、ウィスコンシン、オハイオ、ペンシルベニアなどの州知事選でも善戦しており、勝利すれば2020年大統領選に有利に働く可能性がある。
オバマ前大統領は、バージニア州で下院選の民主党候補の応援に駆けつけ、6日の選挙では米国の個性や良識と平等を重視する姿勢が問われると訴えた。同州の下院選では民主党のウェクストン州上院議員が共和党現職のコムストック下院議員と接戦を展開している。
フロリダ大学のマイケル・マクドナルド教授によると、今回の選挙は不在者投票や郵便投票を含む期日前投票が約4000万票に上る見通しだ。前回2014年の中間選挙では2750万票だった。
マクドナルド教授は今回の選挙では登録有権者の45%が投票すると予測する。そうなれば中間選挙としては50年ぶりの高い投票率となる。教授は電話インタビューで「トランプ大統領は国民の政治に対する姿勢を根本から変えた」と話した。
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