イタリア発のユーロ圏債務危機、可能性ある=JPモルガンCEO

[ベルリン 1日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン のジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はイタリア国債利回りの上昇について、新たなユーロ圏の債務危機を引き起こす「可能性はある」との見方を示した。独紙ハンデルスブラットに対して語った。
欧州連合(EU)のモスコビシ欧州委員(経済・財務・税制担当)は26日、イタリアの経済・政治情勢に起因する問題が他に波及している兆候は今のところ見られないと指摘しており、ダイモン氏は当局側と異なる見解を示した格好となった。
イタリア政府が先に発表した2019年予算案は財政赤字の国内総生産(GDP)比率を2.4%に引き上げる内容となっており、欧州委は受け入れを拒否している。これを背景に独伊国債の利回りスプレッドは、5年半ぶりの水準に拡大している。
ダイモン氏は「(債務危機の)確率が2%なのか20%かは分からないが、発生する可能性はある」と述べた。
イタリア国債を多く保有するイタリアの銀行への波及について問われると、イタリア政府が不安定である限り銀行部門が安定することはないと語った。
「銀行は自国債が無価値となれば事業経営ができなくなる。多くの人が考えるよりも関係性は緊密だ」と述べた。
イタリアの銀行は約3750億ユーロ相当の国内債を保有しており、保有資産に占める割合は10%に上っている。

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