上海外為市場=元は下落、ドル指数上昇で

[上海 29日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで下落している。ドル指数の上昇が背景。市場では、中国経済が減速する中、中国人民銀行(中央銀行)が1ドル=7元を超える元安を容認するのかに注目が集まっている。
元は先週末に22カ月ぶりの安値となる1ドル=6.9647元まで下落。人民銀行の高官は投機筋に警告を発したが、市場では数カ月以内に1ドル=7元を超える元安になる可能性があるとの見方が増えている。7元台に乗せれば、世界的な金融危機以降で初めてとなる。
人民銀行はこの日の基準値(中間値)を1ドル=6.9377元に設定。前週末の基準値(6.951元)に比べて133ポイント(0.2%)の元高水準となった。
国内スポット市場の元は6.9447元で始まった。中盤のレートは6.9510元。前日終値比で62ポイントの元安、基準値比で0.2%の元安。
市場関係者によると、ドルの上昇を受けて、企業のドル需要が高まっている。
一部の市場関係者によると、大手国有銀行のドル売りは見られない。
関係筋がロイターに明らかにしたところによると、中国は1ドル=7元を「重要」水準と認識し、急落阻止に向け介入する公算が大きい。憶測や大規模な資本流出を引き起こす恐れがあるとして、巨額の外貨準備を活用して、心理的に重要な水準とされる1ドル=7元を急激に割り込む事態を阻止する公算が大きいという。
みずほ銀行(香港)のアジア為替担当シニアストラテジスト、Ken Cheung氏は「(人民銀行は)元安を容認しているが、行き過ぎた動きを招くようなパニックを引き起こしたくはない」と指摘。「米中間選挙までは、7元を超える元安を阻止する可能性が高いが、今後も引き続き一段の元安に対する市場の反応を探るだろう」との見方を示した。
9月の外貨準備は14カ月ぶりの低水準に減少しており、資本流出圧力が強まっている可能性もある。
OCBCは「資本流出の兆しが強まっていることも、元の見通しに対する重しだ」と指摘。「特に9月は中国の銀行が外貨を1103億元売り越した。これは2016年12月以降で最高の売り越しだ」と述べた。
中盤のオフショア人民元は1ドル=6.9612元。

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