シドニー外為・債券市場=豪ドル・NZドル下落、米金利上昇で

[シドニー 5日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルが、数年来の安値に下落している。
米ドルとの金利差拡大が続いていることに加え、海外株安で投資家のリスク志向が低下していることが背景。
豪ドルは1豪ドル=0.7065米ドル。一時32カ月ぶりの安値となる0.70625米ドルまで下落した。週明けからの下落率は2.1%。週間ベースで6月中旬以来の大幅な下げを記録する見通しだ。
NZドルは、2016年初め以来の安値となる1NZドル=0.6469米ドル。週明けからの下落率は2.2%に達している。
米ドルは、良好な経済指標や、連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げに転じる可能性があるとの見方で上昇している。
米10年債利回りは3.23%と、2011年以来の高水準を記録した。豪10年債利回りは2.72%にとどまっている。
ウエストパックのエコノミスト、エリオット・クラーク氏は「豪10年債の利回りスプレッドは50ベーシスポイント(bp)となった。この水準は2019年6月まで予想していなかった」と指摘。
「米金利の上振れリスクを引き続き警戒している。トレンドを上回る経済成長の長期化と一段の雇用拡大が、金利上昇につながる可能性がある」と述べた。
5日発表の米雇用統計で、賃金などが強い水準になれば、米国債利回りが上昇し、豪ドルが下落する可能性がある。
この日発表となった8月の豪小売売上高は、前月比0.3%増と、予想の0.2%増を上回ったが、米雇用統計を控えていることもあり、豪ドルは一時的に上昇しただけだった。
小売売上高の内訳は良好。食品小売りが横ばいだったが、衣料や百貨店の売り上げ、外食は好調だった。
ただ、小売売上高の増加ペースは、第2・四半期に記録した高い水準を依然下回っている。
CBAのシニアエコノミスト、ガレス・エアード氏は「小売りは、家計消費全体の約3分の1に相当する。現時点で判断すると、第3・四半期の総消費支出の伸びが鈍化した可能性がある」と述べた。
豪国債先物はほぼ変わらず。3年物が97.905で横ばい。10年物は1ティック安の97.2600。

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