EU、5Gからファーウェイ排除せず リスク巡る情報を共有

EU、5Gからファーウェイ排除せず リスク巡る情報を共有
 3月26日、欧州委員会は、次世代通信規格「5G」のサイバーセキュリティーリスクを巡る情報共有がEU加盟国に義務付けられるほか、各国が年末までにリスクに対応する措置で合意する必要があると明らかにした。バルセロナで2月撮影(2019年 ロイター/SERGIO PEREZ)
[ストラスブール 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は26日、次世代通信規格「5G」のサイバーセキュリティーリスクを巡る情報共有がEU加盟国に義務付けられるほか、各国が年末までにリスクに対応する措置で合意する必要があると明らかにした。
米国はEU全域で中国の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]を排除するよう申し入れていたが欧州委はこれは受け入れず、国家安全保障の観点から特定の企業を排除するかは加盟各国に委ねるとした。ファーウェイを巡ってはこれまでにオーストラリアとニュージーランドが5Gネットワークからの排除を決めている。
欧州委のアンシップ副委員長(デジタル経済・社会担当)はこの日の決定について、こうした措置は外国政府が企業をスパイ行為に利用する懸念に対応するものと説明。経済、および社会の変革につながる5G技術の導入は、セキュリティー体制の完備なくしては実現しないとし、「EU域内での5Gインフラの導入には技術面、法的な面でのいわゆるバックドア(裏口)に対する完全な安全性の確保が必要になる」との見解を示した。
EUは10月1日までに域内の5Gに関連するサイバーセキュリティーリスクを検証。これに基づき加盟各国は年末までにリスク最小化に向けた措置で合意する必要がある。その後、EUは2020年10月1日までに追加措置が必要か判断する。
EUはすでにサイバーセキュリティ庁の常設に向けた法律を承認している。
欧州委の決定についてファーウェイは客観的でバランスがとれたものと評価。携帯通信事業者の国際業界団体GSMAも同様の見解を表明した。欧州の業界団体は事実に基づいた統合的な政策が必要との見方を示した。
*内容を追加しました。

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